土曜美術社出版販売の新・日本現代詩文庫150「山田清吉詩集」より、3番目の「藁小屋」(抄)を読み了える。
 先行する「土時計」(抄)は、今月13日の記事にアップした。


 「藁小屋」は、1994年、木立ちの会・刊。このアンソロジーには3章30編を収める。
 題名は県の故・詩人、岡崎純の詩集「藁」(1966年・刊)をリスペクトしたものだろう。

 第1章では、母の死を描く「お盆の十五日」「母が産湯を使う時」「年忌」が、近所らしい農婦の死を描いた「十兵衛どんのおばはん」と共に感銘深い。「癌におかされ/床に臥して/やっと軀を休めると言った母」、「ハハッと笑う/カラカラと笑う/もう食べたくないという/静かに眠る」と具体的で、農家の女の忍従・忍苦の生涯を表す。

 第2章では、ネパール、インドを訪れた体験を描いて、心の転機となったようだ。
 第3章は、彼の詩によく現れる、自分の葬儀というテーマで、ほとんどを占められている。

 彼は卒寿を越えてお元気で、詩の催しにもほとんど欠かさず参加している。ますますのご活躍を願う。
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写真ACより、「カーメンテナンス」のイラスト1枚。