風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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民俗学者

 同人詩誌「角」代表の金田久璋さんが、詩集「理非知ラズ」を贈ってくださった。
理非知ラズ
金田 久璋
思潮社
2020-12-07

 金田久璋さんは、小野十三郎賞・他、受賞。また民俗学者としてもご活躍である。
 「理非知ラズ」は2020年11月、思潮社・刊。4章、41編を収める。副題のBeyond Rights and Wrongsは、ニーチェの「善悪の彼岸」に当たる。

小林一茶集
 Amazonのマーケットプレイスより、日本古典全書「小林一茶集」を買った。価格は送料・込み:678円だった。
 今読み続けている岩波文庫「七番日記」の校注社・丸山一彦が、解説で俳文の「おらが春」をとても賞めているので、読みたくなったのである。句集、俳文集、書簡集などより抄出して、貴重な1冊である。


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永平寺キャンパス・講座

 5月25日午前10時より12時までの予定で、講座「福井が育む文学を訪ねる」第1回が、福井県立大学永平寺キャンパスの1室で催された。参加した文学の催しとして、今月20日の記事、荒川洋治さん芸術院賞・恩賜賞祝賀会以来である。
 講座開始前は参加者が少なく、淋しい会になるかと思われたが、定刻直前に聴講者が続々と集まり、定員30名を越え、後ろ部屋との仕切りを外し、机・椅子が2列、追加された。
第1講座
 三方郡美浜町よりおいでの、民俗学者・詩人の金田久璋さんによる、「文学に見る若狭・越前の民俗世界」。
 福井県の成立から説き、越前が若狭を低く見る風潮を批判する。
 また山の神・田の神を祀る風習、土葬、まじないの言葉等を紹介し、AIの時代に昔からの民俗が消えて行く事を嘆いた。

第2講座
 時間が押して、11時15分頃より、定道明さんの講座。「福井の文学者達 ~下からの目線と経験主義~」。
 水上勉が自伝的文章「土を喰う日々」「私の履歴書」でも明らかにしなかった事で、生家跡などに立つと、判る事と想像される事がある、と述べる。生家の小屋が墓地の隣りだった(墓地は普通、人家を離れて造られる)事が判り、9歳で寺に預けられたのは「口減らし」のためと想像される、と述べた。
 中野重治の「空想家とシナリオ」の1部を挙げながら、転向後の彼を「プロレタリア文学者」と1括りにしないでほしい、彼は第3の道を模索して苦闘したと、中野重治・研究家らしい言葉だった。
 浜口国雄の詩「便所掃除」、岡崎純の詩「田螺考」を挙げて、福井県出身の文学者の、下からの目線を説いた。
 12時半頃に、第1回の講座を了えた。楽しみにしていた県大レストランは、休日には開いていなかった。


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 金田久璋さんより頂いた、第4詩集「鬼神村流伝(きじんそんるでん)」を読み了える。
 第3詩
「賜物」に就いては、、昨年11月23日の記事にアップした。
 「鬼神村流伝」は、2017年4月、思潮社・刊。詩人・倉橋健一の帯文と栞、4章42編の詩、後記「覚書」、略歴を収める。
 彼は有力な民俗学者でもあり、それを拠り処とした、フィクションの叙事詩として、成功している。
 とくに「柿の木問答」、「魔除け」には、詩誌に発表時から惹かれた。
 僕は短歌を拠り処とする、私的独白の詩(もう面従腹背が要らないので、傍白ではない)を創り続けており、彼と擦れ違う所もあるようだ。
 同時に島尾敏雄・ミホ論の抜き刷り(「脈」92号より)も頂いたが、ここにはアップしないでおく。


 

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