風の庫

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江戸

 日本古典全書「小林一茶集」(朝日新聞社、1975年・11刷)より、一茶文集の1回めの紹介をする。
 一茶集の到着は、先の3月11日の記事、届いた2冊を紹介する(19)で報せた。


小林一茶集
 「小林一茶集」には、俳句集、文集、父の終焉日記、おらが春、書簡抄などを収める。
 今回は38編を収める文集の初めより、23編めの「雞の蹴合」までを読む。189ページ~214ページである。
 「上野の假住居」では、先住者の出て行ったばかりの家を借りて、先住者の朝顔、野菜畑、お札等に無常を感じ、自分もいつかは移る事を思っている。
 出火、按摩殺し、永代橋の墜落、など物騒な江戸の世相を書き留める。
 「葛飾の𦾔巣を奪はる」では、郷里に200日余り逗留して戻って来ると、葛飾の借家は他人に貸されていて、家無しとなる顛末である。
 定収なくスポンサーに頼る身のうら侘しさが、俳句を配した文集に溢れている。


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 岩波文庫の一茶「七番日記」(上)より、2回めの紹介をする。
 同(1)は、今月23日の記事にアップした。



 今回は文化7年7月~12月、89ページ~133ページの、45ページ分である。
 文化10年、継母・継弟との和解が成立して、田畑からの収入を得るようになるまで、文筆一本の生活であり、実際上、豪商・寺の住職を頼り、門人等に頼って生活していた。パトロンと門下が頼りだったのである。
 文化7年は、江戸流寓時代と言われる中の1年である。
 夏の涼み、冬の暖房の心配、等が吟じられている。

 以下に5句を引く。
咲たての朝皃
(あさがほ)(値)ぎり給ふ哉
痩蛙まけるな一茶是に有
はつ時雨俳諧流布の世也けり
雪ちるや七十皃の夜そば売
とし暮て薪一把も栄耀
(ええう)

朝顔
写真ACより、「朝顔」のイラスト1枚。


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