風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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物語

 和田たんぽぽ読書会の2月読書会の課題図書、中島京子「夢見る帝国図書館」を読み了える。
 僕は読書会を10月、11月と休み、1月例会も退院1週間の診察があり、参加できなかった。ブログには、昨年12月例会の記事が残っている。


夢見る帝国図書館
 2月課題図書は、中島京子の長編小説「夢見る帝国図書館」である。
 文藝春秋・刊、2019年7刷。404ページ。
 駆け出しの作家の「わたし」が喜和子さんと交流する話に、帝国図書館の歴史が挟まるのだが、同時代のパラレルワールドではなく、戦後焼け跡からの喜和子さんの物語が会話の多い文章体で、明治からの帝国図書館の物語がやや講談調で語られ、すっきりなじまない。末尾で、帝国図書館と喜和子さんの物語は結び付き、見事ではある。



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 馳星周の小説「少年と犬」を読み了える。
 入手は、今月22日の記事、dポイントで3冊を買う、にアップした。



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 2020年8月25日・7刷、文藝春秋・刊。308ページ。第163回・直木賞・受賞。
 ハードボイルド小説(もう古い呼び方か)を、僕は苦手である。本屋で手に取ったのは、僕も1種の救いを求めたのだろう。
 シェパードと和犬の雑種・多聞が、犯罪に手を染めた男、窃盗団の男、関係の悪化した夫婦、タチの悪い情夫を殺した娼婦、老猟師、と相手の死や自首の度に飼い主を替え、震災・津波に遭った岩手県釜石から、目的の熊本に移住した少年一家に辿り着くまでを描く。多聞は、地震で古民家が崩れた時、少年を庇って亡くなる。
 裏社会や危機の夫婦、老猟師など、ハードな世界で読者を引きつけ、少年を救って犬が亡くなるなど、ちょっと感動的な物語である。しかし犬と人が友情を結ぶのに、どうして死を賭けなければならないか、僕にはわからない。

 僕はこれからも、良否は別にして、純文学を読んで行くだろう。


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 山田詠美の連作小説集「放課後の音符(キイノート)」を読み了える。
 入手は、昨年9月7日の記事、「同人誌1冊と文庫本3冊」で報せた。


 これまでの画像を、誤まって消してしまったので、画像は出ない。

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 新潮文庫、2013年23刷。
 17歳の「私」を話者として、8編の高校性の物語が紡がれる。
 山田詠美に性を主題にしたストーリーがあり、生徒の苛めを描いたストーリーがある。
 そして高校生のませた恋の物語が加わる。

 今の僕は、女子高生の恋に関心がない。綿矢りさ、金原ひとみが、共に影響を受けた作品として挙げたから、読む気になったのである。
 高校生時代の僕は、部活と後に受験勉強に忙しく、恋どころではなかった。片思いを寄せた女生徒はいたけれども。



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 思潮社・現代詩文庫242「続続 荒川洋治詩集」より、「詩集<実視連星>から」を読み了える。ここには6編の詩を収める。
 先行する同「詩集<心理>から」を読む、は今月8日の記事にアップした。

 

 「船がつくる波」は、生活が順調に進んで、家を持った体験を基にしているように思われる。番地からは1戸立てのようだが、作品ではマンションのように書いた。本より、韜晦は許される。「真金は/鉄のこと/鉄はきのうから わたしのもの/ちいさな前の橋//借りられて/支払いをすませ/彼のもの//強い箱がたの 波」などの部分が、先の想像を誘う。
 「梨の穴」は、H・Bとその伯父、飛田いね子とその兄、タレント(?)の関口知宏、3つの話が錯綜する。「映写機の雲」は、自分を投影するらしい「石川」と、二人の先輩を描く。「イリフ、ペトロフの火花」は、小ロシアの兄弟の若い死までを描く。現代詩作家の、小説や映画のように物語りたい、という欲求の表れのようである。
 「実視連星」は、難解である。エピゴーネンや批判に苦しんだ彼が、容易に読み解けない作品を書こうとしたかのようだ。あるいは恋人との語れないエピソードを基とするか。
 「編み笠」は、史実かフィクションか、韓国の大統領を射殺したシロク(仮名)の話と、編み笠の数人が東海道新幹線で美人の売り子に会う話を、メインに交錯する。これではエピゴーネンは現れないが、彼の詩はグループを成さず、単独であり続けるだろう。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


 
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