風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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田舎

 今日2回めの記事更新です。
 7月3日(土曜日)の夜、布団の上で本を読んでいると、右腕がむずむずする。見ると、10㎝くらいの大きなムカデ(百足)が這っている。
 わが家は湿田を埋め立てて建てたので、湿気が多い。庭も手入れしてなく、ムカデが室内に現れる場合がある。二階の僕の部屋でも何匹か殺したし、目覚めると脹脛辺りに噛み跡があり、粘着式のネズミ捕りを置いた時もある。1階の妻の部屋に何度も現れ、大騒ぎになった。
 ただ今年は、1度も現れず、気が緩んでいた。小さい叫びと共に振り払うと、撃退用具を見渡すうちにムカデは消えた。ムカデも驚いただろうと、読書を再開すると、またも右腕に異物感。またしてもムカデが這っている。今度は落ち着いて振り払い、ガムテープの輪で押し潰そうとする。しかし下が布団で柔らかく、なかなか弱らない。ガムテープの輪で捻じり、更に叩きつける。ムカデも参ったらしく、ほとんど動かなくなった。ティッシュペーパーでくるんで、屋根の外へ捨てた。
 田舎らしい話である。
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写真ACより、「ムカデ」のイラスト1枚。




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 福井県俳句作家協会・編の「年刊句集 福井県 第59集」より、3回めの紹介をする。
 同(2)は、先の5月21日の記事にアップした。


 今回は、福井地区(福井市、吉田郡)の後半、59ページ~99ページ、41ページ分の82名820句を読んだ事になる。
 福井県は田舎であり、県都どうの言っても、田舎都市である。コロナ禍でなおひっそりとした過疎の村を温かく吟じ、洗車のピアス娘に希望を託す。信仰なきに祈りてマスクを縫い、父を戦争で失い顔を知らぬと数百字に優る嘆きを吟じ戦後は終わらない。賑やかだった家族が、独居となる侘しさも句材である。福井は宗教熱心な風土であり、政治的保守性にも繋がるかと思われ、そういう句も多い。

 以下に5句を引く。
巣ごもりの村静まりて麦の秋(I・倫子)
祈り込めマスク縫う日々花は葉に(T・恭子)
顔知らぬ父を追慕す終戦忌(U・恭子)
梅雨明ける新車を洗うピアスの娘(W・絹代)
九人家族ついに独りや神無月(T・和子)

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写真ACより、「雨の日」のイラスト1枚。



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 イタリアの作家、パヴェーゼの小説「故郷」を読み了える。
 今年3月24日の記事、パヴェーゼ「流刑」を読むに次ぐ。

パヴェーゼ「故郷」
概要
 岩波文庫、2003年6月・第1刷。
 河島英昭・訳、解説を含め234ページ。
 僕の以前のブログ「サスケの本棚」(2007年4月4日・開始)に載っていないので、発行日より2007年4月までに購入したようだ。読書までずいぶん待たせて、本文にまで経年ヤケがある。
感想

 パヴェーゼの長編小説・第2作だが、イタリアがファシズム下にあったため、1941年5月、1番めの小説として出版された。
 戦後の1950年5月、「月と篝火」等で名声の絶頂にありながら、彼は睡眠薬自殺を遂げた。41歳の若さだった。
 作品内容としては、主人公「僕」が、粗野な青年・タリーノ(放火の嫌疑)と共に警察管理から放たれ、タリーノの父親・ヴィンヴェッラ老人の麦扱きの仕事を手伝う、3日間の出来事が主な場面である。
 「僕」はタリーノの妹のうち、ただ一人上品な、ジゼッラと親しくなる。しかしタリーノが諍いでジゼッラを、三つ又で殺してしまい、終幕となる。
 固陋な田舎を描き、イタリアの文学運動、ネオ・レアリズモの出発とされる。
 僕も田舎在住だから、田舎の貧しさと固陋さは、わかるつもりである。また多くの人が、田舎住まいか田舎出身で、思い当たる所はあるだろう。
 「流刑」でもそうだったが、すぐ主人公が色恋に染まるのは、なぜだろう。1時の村上春樹みたいだ。







 
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