福井県俳句作家協会・編の「年刊句集 福井県 第58集」より、4回めの紹介をする。
 同(3)は、今月2日の記事にアップした。リンクより、関連過去記事へ遡れる。




 今回は、前回の続き76ページより、福井地区(福井市、吉田郡)の仕舞い102ページまで、27ページ、53名の530句を読んだことになる。
 世の高齢化、俳壇の高齢化に連れて、老いの心境、家族を見守る眼差し、畑仕事などに心が向かう。また比較的若いらしい世代の句もあり、視点に洒落っ気がある。
 俳歌は大衆詩、機会詩であり、高い芸術性を求めるなら、束縛のない詩へ向かえば良いと僕は考える。定型、調べ、季語などの束縛の中に、味わい深い作品も生まれるだろう。

 以下に5句を引く。
卆業のなき俳道に生かされて(K・せつ)
ふたりの夏立ち位置少し変えてみる(G・久美子)
健やかに老いる贅沢柿若葉(H・純江)
雛の間に主役静かに眠りをり(O・友江)
今日捥ぐか明日にしようか初胡瓜(W・絹代)
0-13
写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。