風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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目覚める

 今日2回めの記事更新です。
 昨日に続き、未発表ソネット10編より、(5)をアップします。

  目覚まし時計

    新サスケ

目覚まし時計を予約するが
ベルが鳴らないのか
目覚めない朝が重なった
故障かと二台めを買う

安価な品である
実験をすると鳴る
だんだん音が大きくなる
それでも寝過ごした

僕の朝の眠りが深いらしい
目覚しのベルはしばらくで止むらしい
どうにもならない

前夜に妻に頼んで
朝にひと声かけてもらうと
すぐに目覚めるのだが


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写真ACより、「建築」のアイコン1枚。


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 思潮社の現代詩文庫78「辻征夫詩集」より、第4詩集「落日」全篇を読み了える。
 先行する詩集「隅田川まで」は、今月8日の記事にアップした。


 「落日」には、16編の作品を収める。
 表題作の「落日ー対話篇」では、恋の成就が描かれるようだ。しかし家庭を持ち、子供が生まれると、詩人は現実に目覚める。
 「子守唄の成立」では、冒頭「お部屋の中が/暗いからといってそんなに泣かれると困ってしまう」と幼児をあやしかねる。
 「鳩」ではカメラを買えなくて、現実逃避する。
 「睡眠」では、「くらしが/夢のように/なってから/夢はほとんど/みなくなった」と、現実感のない生活を描く。
 「童話の勉強」には、詩作では生活できない現実が、突き詰められる。
 「ライオン」では、「歩き疲れてお酒をのんで/駅前広場で途方に暮れてる/いまのぼくがかなしくなって/思わずライオンのあたまをかかえて/泣いてしまった」と、生活無能力ぶりを表す。
 しかし掉尾のもう1編の表題作「落日ーおはなし篇」では、「せなかに/燃えるおひさまを/もってるおとこは」と、詩人の自恃に生きようとする。
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。


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