風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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真実

 先の4月28日に受け取りを報告した、同人詩誌「青魚」No.94を、ほぼ読み了える。

 リンクより、旧号の感想へ遡り得る。

「青魚」No.94
 僕やT・幸男さんには、詩を書き続けて来た悲しみ(有名になれなかった事を含めて)がある。
 それにして、年齢的には先輩のM・幸雄さんの「夜のカフェ・テラス」には、迫力がある。ゴッホの同題の絵の感想だが、その描き方の特色を、縷々述べていて、感動の様が伝わる。
 僕のソネットは、短歌に似て、連の割れ方跨り方の違和感、ボケぶり、老いてのネットのミスを描くばかりである。
 T・幸男さんの「腐葉土」「款冬花」「東盛庵」の3編は、老いての(居残り鴨)の心境を表す。
 年を重ねてから詩作を始めた同人がいる。少年少女の詩も、成年の詩とは乖離があると考える。老年で初めても、園芸や手芸と違うから、詩作を軽く考えないでほしい。生活の孫や家事や庭を、ただ描いてもそれだけである。事実とは違う真実(平穏の裏の悲しみ、など)を、むしろ事実と真実の間を潜り抜ける(いわゆる虚実皮膜論とも違う)境地を、僕も目指したい。
 巻末の2編の長文は、回想と自己弁護に思われる。





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 村上春樹の短編小説集「一人称単数」を読み了える。
 到着は、今月21日の記事、届いた2冊を紹介する(14)にアップした。





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 「一人称単数」」は、2020年7月20日、文藝春秋・刊。8編の短編小説を収める。

 初めの「石のまくらに」は、二十歳にもなっていない「僕」が1夜を共にした娘さんが、数日後、歌集(実は5行歌風)を送ってくれて、今でも机の引き出しにおいて、稀に読む、という話である。娘さんの名前も顔立ちも覚えていないけれど。紋切型でいうなら、「人生は短い。芸術は長い。」の実感だろう。
 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、大学の文芸誌に1文を載せた、という事からフィクションだろう。しかもその1文の内容はフィクションだった。フィクションにフィクションを重ねながら、夢に現れたチャーリー・パーカーがボサノヴァをプレイした事は真実だろう。作者がその夢を実際に見たか否かは別にして。
 「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、1種のヰタ・セクスアリスであると共に、15年後にはその相手・サヨコが結婚・2人子を持ちながら、32歳で自死していた事を知る。村上春樹の小説に時々現れるテーマで、彼にトラウマがあるのか願望か。
 「品川猿の告白」は、言葉を覚えた猿が、女性を恋しくなると名前の1部を盗み(女性は自分の名前を忘れたりする)、その名を呼んで耐える、というストーリーである。荒唐無稽ながら、1種実感がある。
 書き下ろしの「一人称単数」では、バーで見知らぬ女性から酷く非難される。「恥を知りなさい」とまで言われて。僕たちも村上春樹の小説に期待する余り、むやみに非難する事は避けたい。
 でも村上春樹は、自身が言っていた、ドストエフスキー流の作家になれるのだろうか、長編小説に期待したい。


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 県内と東京都の1人の詩人を同人とする詩誌、「果実」82号を読み了える。
 到着は、今月9日の記事、同人詩誌2種が届く、で報せた。リンクより、過去記事へ遡れる。



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 9名19編の詩、5名5編の随筆を収める。作品によってランダムに掲載する試みを行ったが、詩人ごとにまとめて何編か掲載する編集に戻った。
 W・本爾さんの「年賀状」は、子~亥の12の干支を追って書かれた。数え歌的な詩を僕は好まないが、真実を衝いた節がある。
 N・昌弘さんの「世代」は、老母を描いて、「…世間の物音は敏感に/…社会の本当は見えるらしい」とその賢さを讃えるが、末行の「ああ おそろしや おそろしや」は余分ではないか。
 K・八重さんの「口紅」は、母の香港土産にもらった、残り物のオレンジの口紅が似合うようになったと、年月の深さを思わせる。
 T・篤朗さんの3編は、生きるとは、いかに生きるか、を問うて真剣である。
 K・不二夫さんの「ドコカガチガウ」は、山中の散策に若かった時との違いを感じ、自分と社会の変遷の故かと、「ちがう ドコカガチガウ」と悲傷する。





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 福井県俳句作家協会・編の「年刊句集 福井県 第58集」より、3回めの紹介をする。
 同(2)は、先の4月25日の記事にアップした。




 今回は福井地区の、56ページ~75ページの20ページ、40名400句を読んだことになる。
 新しい句材は必要だが、新と真のもう1つ、真実も必要である。能や文楽の型より摂った句、忌祭を吟じて季語と即かず離れずの句、田舎の若者を吟じた句、などに惹かれた。
 会員の高齢化はあるが、畑作業、新しい学び、などを吟じた句もあって、回想の作品と共に、お元気である。

 以下に5句を引く。
見送りの目頭押さふ光る風(T・利彦)
ライダーの危ふき蛇行雲の峰(K・邦子)
母の忌や四男三女衣被(S・由紀子)
ロボットのスイッチを押して掃初め(T・三恵子)
炭琴の高き音色や秋気澄む(I・和加子)
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写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。




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 森絵都のYA(ヤング アダルト)小説「カラフル」を読み了える。昨年暮れに、メルカリより350ポイントで買っている。
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 文春文庫、2015年37刷。単行本:1998年、理論社・刊。産経児童出版文化賞・受賞。

 死んだ筈の魂が、ボス(万物の父)の抽選で、プラプラという天使の案内と助言で、服毒死した小林真の体に、試験的に舞い戻る。神を想定する所から、現代ファンタジー風になっている。
 父は利己的、母は不倫経験あり、片思いをよせるひろこは愛人に貢がせている。兄も意地悪そうである。しかし小林真は、それぞれの人物の真実を知ってゆき、世界に馴染んでゆく。
 そして魂の僕が、小林真自身であった事を思い出し、ジ・エンドとなる。大団円は月並みだけれども、ハッピーエンドである。
 1度でも死にたいとか、自分は居ない方が良い、とか思った事のある人にはお勧めである。YA小説の隆盛によって、読書離れと言われる若者が、本に戻って来れば幸いである。




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 今月12日の記事、届いた3冊(5)で紹介した内、しまいに置いた、柾あずさ詩集「その心の海は」を読み了える。
 2019年8月1日・刊。私家版。5章30編を収める。第2詩集。

 柾さんは心を病んだ。真実を語る者は狂気とされ、表裏の大きい者が偉人と呼ばれる。
 強者は弱者の金銭を搾取するだけで足りず、気力(やる気、思い遣り、プライド、等)までも奪おうとする。
 彼女の実父母が、兄妹の幼い頃に離婚し、心の傷の元となったのだろうか。兄妹ともに詩人となった。
 彼女の場合、家族と諍いがありながら、夫と姑に理解があり、2人子も巣立った。
 これから夫と共に、心身ともに軽く生きて行かれるよう、願っている。


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 今日2度目の記事更新です。
 14時32分現在、このブログの今日のPV数が、437PVになっていますが、ライブドア側のミスの誤表示です。
 真実を知らなければ、わあ、今日のPV数が多い、と喜んでいられます。
 しかし過去にも経験のある僕は、管理画面(マイページ)のトップからでも、真実を知ります。
 現在は90PVです。
 今年8月27日の記事
「バズではありません」では、4万余のPV数を誤表示しました。
 ライブドア・ブログの僕のブログでは、稀まれにあるようです。
 真実を伝えないのは、困るというより、1種の悪だと思います。
 ライブドアには、このような事がないよう、お願いしたいものです。
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写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。


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