風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

社会

 鷺沢萠の留学体験記「ケナリも花、サクラも花」を読み了える。
  鷺沢萠の本はわずかに読んだ気がするが、この「風の庫」になく、タブレットでは前ブログ「サスケの本棚」にログイン出来ないので、確認できない。(追記:その後、「サスケの本棚」にログイン出来て、「帰れぬ人びと」「駆ける少年」の感想を見つけた)。

ケナリも花、サクラも花
 新潮文庫、2000年3刷、184ページ。
 1993年1月~6月まで、韓国の延世大学に語学留学した体験記である。留学の契機は、父方の祖母が韓国人であり、自分がクォーターだと知った事という。
 親しい韓国2世、3世に囲まれ、悪辣なジャーナリストにうんざりしながら、10円ハゲを作るほど苦労して、2学期間を学んだ。

 鷺沢萠(さぎさわ・めぐむ)は、1990年に結婚し、翌年に離婚した。2004年に35歳で自死した。理由は文学的に行き詰まったのだろう。多くの読者がありながら、大きな文学賞を獲れなかった。彼女の突き詰める性格と、社会の成り行きが望んだ方向と違っていた事が原因と思われてならない。

 彼女は上智大学ロシア語科を除籍になったけれども、人生まで中退しなければよかった。「戦わない者が勝つ」のかと、微かに憤る。

 沖積舎「梅崎春生全集」第4巻(1984年・刊)より、5回めの紹介をする。
 同(4)は、今月2日の記事にアップした。


 今回は、「熊本牧師」「飯塚酒場」「弁慶老人」「西村少年」の4短編小説、255ページ~279ページ、25ページを読んだ。
 「熊本牧師」は日曜学校への登校を、「西村少年」は同級生の恋への嫉妬を描いて、時代を戦前の小学生時代に採っている。
 「飯塚酒場」も、戦中の1943年初め頃の人気酒場で、早く1回分を飲み干して行列の後ろに付く、競争を題材とした。
 「弁慶老人」は、学生やプロの押し売りを撃退する事を楽しみとする、画家・早良十一郎とその隣人・大河内弁慶・老人が、地境の四ツ目垣の根元に植えるもので、諍う話である。
 少年時代、戦中、戦後の些細な事を取り上げながら、宗教や社会への怒りを含めているようだ。
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写真ACより、「秋の人物コレクション」の1枚。



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