風の庫

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福井

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 6月8日(第2土曜日)の朝10時より、講座「福井が育む文学を訪ねる」第2回が、福井県立大学永平寺キャンパスの1室で催された。
 同・第1回は、先の5月26日の記事にアップした。
 今回も受講者は、予約定員の30名を越えたようだ。
第1講座 「福井ゆかりの詩人たち」
 講師は、詩人(詩集・受賞・多数、詩誌「木立ち」代表)の川上明日夫さん。
 近代以降の福井の詩人として、三好達治(寄寓)、中野重治、高見順(2、3歳で福井県を離れる)、則武三雄(鳥取県・生まれ)、広部英一、荒川洋治を取り上げ、それぞれの業績を評価した。
 また福井を離れた詩人、福井に寄った詩人、福井で定住者の文学を提唱した詩人、それぞれが福井の地を愛した事を挙げた。
 川上明日夫さん自身も、幸福な状況で詩を書いて来れたとしながら、旧・満州生まれで引き揚げた、故郷喪失者である事を告げた。
第2講座 「ふるさと再発見」

 講師は、詩人、児童文学作家の藤井則行さん(ふくい児童文学会・代表)。
 伝説「きつね塚」(母親から聞いた話)と、昔話「けい坊・はい坊・あんだ坊」(勝山市で採話)を例に、伝説と昔話の違いから説き起こし、昔話の研究から得られた、特質を述べた。「昔、ある所」と始まる(どちらかが省略される場合がある)、会話の文と地の文(行動を表わす)で成っている事、ほとんどハッピィエンドである事、教えとして度胸・知恵・機転がある事などを挙げた。その因として、庶民に語り継がれた話であり、願望が込められていると結論した。
 現代の創作童話にも、それらの研究を活かしたいと述べて、締め括った。
 時間が30分ほどオーバーし、12時半頃に散会した。


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永平寺キャンパス・講座

 5月25日午前10時より12時までの予定で、講座「福井が育む文学を訪ねる」第1回が、福井県立大学永平寺キャンパスの1室で催された。参加した文学の催しとして、今月20日の記事、荒川洋治さん芸術院賞・恩賜賞祝賀会以来である。
 講座開始前は参加者が少なく、淋しい会になるかと思われたが、定刻直前に聴講者が続々と集まり、定員30名を越え、後ろ部屋との仕切りを外し、机・椅子が2列、追加された。
第1講座
 三方郡美浜町よりおいでの、民俗学者・詩人の金田久璋さんによる、「文学に見る若狭・越前の民俗世界」。
 福井県の成立から説き、越前が若狭を低く見る風潮を批判する。
 また山の神・田の神を祀る風習、土葬、まじないの言葉等を紹介し、AIの時代に昔からの民俗が消えて行く事を嘆いた。

第2講座
 時間が押して、11時15分頃より、定道明さんの講座。「福井の文学者達 ~下からの目線と経験主義~」。
 水上勉が自伝的文章「土を喰う日々」「私の履歴書」でも明らかにしなかった事で、生家跡などに立つと、判る事と想像される事がある、と述べる。生家の小屋が墓地の隣りだった(墓地は普通、人家を離れて造られる)事が判り、9歳で寺に預けられたのは「口減らし」のためと想像される、と述べた。
 中野重治の「空想家とシナリオ」の1部を挙げながら、転向後の彼を「プロレタリア文学者」と1括りにしないでほしい、彼は第3の道を模索して苦闘したと、中野重治・研究家らしい言葉だった。
 浜口国雄の詩「便所掃除」、岡崎純の詩「田螺考」を挙げて、福井県出身の文学者の、下からの目線を説いた。
 12時半頃に、第1回の講座を了えた。楽しみにしていた県大レストランは、休日には開いていなかった。


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 前川幸雄さんの詩文集「思い出の中の上越と福井―詩と評論 記録―」を、ほぼ読み了える。
 受贈は9月21日の記事、
「頂いた本など9冊(2)5冊」の4番目にアップした。
概要
 2018年8月30日、以文会友書屋内「縄文の会」・刊。制作・(有)ワープロセンターホープ。非売品。
 前川幸雄さんは、福井高専、上越教育大学、福井大学、仁愛大学、等で教え、今はカルチャーセンターの講師をしているようだ。
 詩集8冊、専門の中国文学から現代中国詩・翻訳詩集5冊、翻訳小説集、多数の研究書、他の実績がある。
感想
 上越編には、「詩彩」に発表して、最新詩集「弐楽半のうた」未収録の詩6編、「講座の記録」と資料再録を収める。
 福井編には、「『弐楽半のうた』の感想文」、詩1編、詩論3編を収める。
 各編の緻密さと、受け取った詩集感想文をまとめて本に発表するおおらかさは、羨ましい。
 36ページに、僕の送った写真、3枚が載る。挨拶のメモもあり、こだわらない。しかし写真を更に写したらしく、少しボケている。本に載せるなら、電子版を送らねば、と思った次第である。


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