今月20日の記事「届いた1冊、頂いた7冊」で紹介した内、結社歌誌「百日紅」2018年10月号を読む。
月例作品のみを読み、題詠・作品評は読まなかった。
概要
文章では読んでいないが、聞く所に由ると、おもに県内の歌人を会員とする、結社歌誌である。
月刊。10月号は21ページ。1首の上下端を俳句のように、すべて揃えている表記は特異である。
「作品(一)」、「作品(二)」に分かれているが、全員が5首掲載である。選歌があるのか、5首出詠・掲載なのか、判らない。
窪田空穂(「槻の木」、「まひる野」など主宰)の系統を継承し、故・辻森秀英(県の歌人)が創刊、現在の代表はI・善郎さんである。創刊より70余年。
感想
全員が5首掲載、特選なし、と掲載に競争がないせいか、のびのびと会員は詠んでいる。
口語調の歌もあるが、旧かな表記の故か、跳びはねた作品は少ないようだ。
地方歌誌にとどまらず、会員は全国歌誌に飛躍してほしい。
綜合歌誌、歌集などを読み、学びも忘れずに。
月刊を70年続けた情熱に打たれる。
引用
I・善郎さんの「勝山大仏」5首より。
子ら連れて来しは何十年前か勝山大仏の山門くぐる
大胆な句跨りがあって、現代短歌の学びが知られる。
A・敏子さんの「大雨」5首より。
浅草のみやげにもらひし風鈴は友亡き今も軒に鳴りをり
友への追悼の思いが鮮やかである。