風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケは、2017年10月17日付けでのAmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)の発行に続き、第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」(縦書き)を、2018年5月31日、Kindleストアにて発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 2011年10月1日・刊の紙本「ソネット詩集 光る波」に、数十ヶ所の加筆をし、編集しました。
 販売ページは、Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 ソネット 光る波」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。右サイドバーのバナーよりも着けます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。
 次回の無料キャンペーンを、9月初め頃に予定しています。

第1歌集

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 邑書林「セレクション歌人3 江戸雪集」より、歌集「百合オイル」を読み了える。
 本の購入は、昨年12月22日の記事で紹介した。
 また第6歌集
「昼の夢の終わり」の感想は、同じく12月13日の記事にアップした。
概要
 彼女は1966年、大阪府・生まれ。1995年「塔」入会、のち選者。
 原著は、1997年、砂子屋書房・刊。第1歌集。
 彼女は中学~大学と、女子校に学んだ。また10代の頃、熱心に教会に通い、聖書に没頭した。
 それらの特殊性も、彼女が社会に出て苦しむ、1因となったのではないか。
感想
 社会の苦しみ、頼りない青年との恋、別の男性と結婚しての違和感、と彼女の苦しみは絶えないようだ。しかも簡単に許される事さえ、拒もうとする。
 彼女の苦しみの元が、すべて男性原理に由るものではないとしても、男性読者としては心苦しいものがある。
 歌を詠む事で、心身の自傷に至っていないようである事が、救いである。
 心情を述べた句と、叙景あるいは行為の句を、うまく継いでいる。
引用

 以下に7首を引用する。
いらだちをなだめてばかりの二十代立ちくらみして空も揺れたり
ぼちぼちと言いつついつも命がけ雲は静かに崩れてゆけり
膝くらくたっている今あとなにを失えばいい ゆりの木を抱く
跳びあがり摑んだ枝はやわらかく あきらめ方がよくわからない
ひいらぎの咲く門を過ぎこなゆきのふりはじめたり もう逢えないんだ
じいわりと冷えくる朝(あした)夫のシャツはおれば重し他人の生は
ゆるされてしまいたくない 石のうえ干した雨傘風にずれゆく



杉谷麻衣「青を泳ぐ」
 Amazonのkindle unlimitedのお試し(30日?)に、10月24日or25日に加わったので、10月29日に杉谷麻衣・歌集「青を泳ぐ」をタブレットにダウンロードし、先日に読み了えた。書肆侃侃房・発のkindle本・歌集では、駒田晶子「光のひび」を読み了えて以来である。
概要
 杉谷麻衣(すぎたに・まい、1980年~)は、京都府・出身、大阪府・在住。
 「青を泳ぐ」は、書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズ30。紙本は2016年9月17日・刊。kindle版は2016年10月16日・刊。
 今、各版の価格を調べると、次のようである。紙版:1,836円。kindle版:800円。kindle unlimited版:無料(月会費980円で読み放題)。
 第1歌集、236首。長文の解説「塩の斑紋」を光森裕樹が書いている。
感想
 あとがきで「現実に目の前にある世界に想像を重ねて、自分にしか見えない新しい世界をつくりだすこと。」と述べて、リアルな世界ではない事を、明らかにしている。
 その世界では、元・体操選手だが今は車椅子に乗る青年との恋を中心に、歌集が進んで行く。また美術の実践があるようで、絵を描く事に拘っている。現代性と土俗性が交差する歌が、稀にある。
 危うげな若い女性像、という新人の流れを批判する人もいるようだが、短歌賞などでその流れを作った先輩たちに責任がある。

引用
 以下に7首を引く。
空の絵を描けといわれて窓という窓を砕いて額縁にする
保健室の南のまどからだけ見える三時間目の海が好きです
みずうみを塗っていた筆あらうときしずかに透けてゆくきみの声
「はじめてのひとり暮し」というキャッチコピーが似合うきみどりのラグ
差し出せるものなにひとつ持たぬ夜の眼下の街にひかるしずけさ
「ごめんね」とあなたはたしかな発音でぼくの世界を歪めていった
ひと息にともる電光掲示板(まばたき)いいえあれは送り火





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