風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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結末

 谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第3巻(1978年・5刷)より、長編小説「ゴオドン・ピムの物語」の4回めの紹介をする。
 同(3)は、先の5月23日の記事にアップした。

 リンクより、過去感想記事へ遡れる。

 今回は、第21章(300ページ)より仕舞いの25章までと「あとがき」の332ページまで、33ページを読んだ。
 島民の奸計による土砂崩れより、主人公・ピムとピイターズのみが船員のうち生き残り、土砂の裂け目を辿って地上にも通うようになる。2人は丸木舟を奪って、海上での戦いのあと脱出する。船は南極と推測される辺りに至り、白い瀑布と、巨大な白い人間の姿が現れる。
 ここで「あとがき」につながり、ピムの死去によりあと数章を残して物語は終わるとされる。
 ポオの唯一とされる長編小説で、冒険物語の苦難と成功を、僕は味わった。これで「ゴオドン・ピムの物語」、また「ポオ全集」第3巻(334ページ)の結末である。
ポオ全集第3巻
 全集第3巻の箱の表を、再掲する。





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 三浦哲郎の小説「夜の哀しみ」(新潮文庫、上下巻)を読み了える。
 三浦哲郎の本では、昨年6月5日の記事に、短編小説集「冬の雁」をアップしている。


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 初出は、日本経済新聞・1991年9月14日~1992年9月13日である。新聞小説に文学を呼び戻す意気込みで始められた。
 出稼ぎの夫を持つ35歳の登世が、親友の夫・聖次と不倫関係になり、家での密会を息子に見られ、(堕胎、別れ、結核らしい病気を経て)、息子と娘にたかられるようになり、息子との取っ組み合いの末、首を絞めて失神か死亡かわからないまま、海に入水自殺をする結末を迎える。
 2、3年前、1度読みかけて、止めた本である。ぼくは不倫もの、愛人ものが苦手だった。パール・バックの「大地」も、主人公が富んで、愛人を住まわせるようになった所で、読書が中断した。
 35歳で1年の空閨は、耐えがたいものがあったかも知れない。三浦哲郎は、愛情と共感をもって登世を描いている。これまでと異質な世界である。


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 KIndle版「室生犀星作品集」より、「みずうみ」を読み了える。
 先の同・童話とエッセイを読む、は6月9日の記事にアップした。



室生犀星作品集
 作品集の表紙を再掲する。

 「みずうみ」は、初めに「童話でも小説でも散文でもない」と断っている。
 写生ではない俳文という所だろうか。
 4章と分量は意外と多かった。
 湖辺の一軒家に住む眠元朗とその妻、娘と、3人が登場人物である。眠元朗とその妻は生活に飽き、険しい目を交したりする。
 結末で父親は、乙女さびた娘を、対岸の桃花村へ小舟で送り出してしまう。
 家族の由来も、生業も、心象小説のような1編では、どうでも良いのである。
 底本の親本は、「室生犀星未刊行作品集 第Ⅰ巻 大正」三弥井書店、1986年・刊。初出は「詩と音楽」1923年5月号。旧かなを新かなに直してあるだろう。


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 目指しているKDP(キンドル ダイレクト パブリッシング)より、3回めの報告をする。
 2回めの報告は、先の1月16日の記事にアップした。



 ホームページより、旧作小説「底流」の1部をWordへコピペしたあと、残りを初出(文芸部誌、1968年・刊)よりキーボードで筆写した。全体の2/3程だった。若気の至りというか、表現のオーバーな箇所は、改めるか削るかした。
 そのあと、文芸部誌になかった結末を、当時の創作ノートより9行分、付け足して本文の完成となった。
 B5判、1ページ42行、1行31字で、約15ページ半である。約2万字、400字原稿用紙で50枚の、短編小説である。
 この後、改ページして、まとめと称して、あとがきと奥付けを書く予定である。出来るだけ早く、原稿を仕上げ、KDPに持ち込みたい。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。


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