筑摩書房「ウンガレッティ全詩集」より、詩集「喜び」を読み了える。
ウンガレッティ全詩集
 1988年・刊、河島英昭・訳。514ページ。函がヤケている。
 2011年12月に、所蔵している記録があるのみなので、ブログ「サスケの本棚」開始の2007年以前に古本を購入したものか。
 僕は購入より何10年かして、読み始める事がある。購入して1年で読まなければ処分する、という誰かの杓子定規な扱いができない。

 この度、読む気になったのは、職をリタイアして7年、古希にもなったので、外国の詩人も職無しのさまよい人と捉えたなら、読める気がして来たからだ。昔、詩誌「群青」の相棒・こぐま星座さんと「外国の詩は難しいね」と語り合ったが、その時はお互いに仕事があった。

 ウンガレッティは、クァジーモドと共に、戦後イタリアの大詩人である。(僕は「クァジーモド全詩集」も持っている)。エジプトでイタリア人の両親のもとに生まれ、1912年、24歳でイタリアに短期滞在し、パリへ移り、大学で学ぶ。1915年、第1次世界大戦にイタリア兵として従軍、1918年に除隊したらしい。


 「喜び」には、パリ時代、従軍時代の詩が収められている。詩「苦しみ」より、「だが嘆きを糧にしては生きるな/盲鶸のようには」とうたう。除隊直後には、「見出された女」で女性の豊穣を、「祈り」で神への祈りをうたって、詩集「喜び」は閉じられる。