谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第2巻より、6回めの紹介をする。
 同(5)は、今月11日の記事にアップした。



 今回は、199ページ~243ページの、45ページ分である。
 「四匹で一匹の獣」は、3830年の2人連れが、古代シリアの都市アンティオクに身を置いた物語である。王がキリンの皮をまとっていたり、結末では王が2人連れの「君」になっていたり、場景と共に筋立ても混乱していると思われる。
 「シェヘラザアデの千二夜目の物語」は、千一夜物語に続きがあったという設定で、千二夜目の物語に王が怒って、王妃は殺される。しかしその話は、ポオの時代を超えて、コンピューターやネットの世界を予見したようだ。「使いきった男」のiPs細胞を予測するかのアイデアと共に、ポオは未来予見の能力があったようだ。
 「花形」は、立派な鼻を備えた男が、それを最上とする社会で花形となる。しかし侯爵と決闘で、相手の鼻を射ち落とすと、花形を追われる。鼻を持たない男が、更に1番の社会だったのである。カードゲーム等での順位が、基だろう。

パソコン
写真ACより、「パソコン」のイラスト1枚。