角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、4番目の句集、西本一都「景色(けいしょく)」を読み了える。
 先の9月14日の記事、
安住敦・句集「午前午後」に次ぐ。
概要
 原著は、1972年、東京美術・刊。834句、あとがきを収める。
 西本一都(にしもと・いっと、1905年~1991年)は、「若葉」、「ホトトギス」に投句、後に「若葉」編集長、「白魚火」主宰。
 不思議な事に、西本一都の名前が、三省堂「現代俳句大事典」(2005年・刊)にもWikipediaにも載っていない。美しい俳句を作ったのに、何か事情があるのかと、疑う程だ。
感想
 美を吟じた句に、稀に心境を吟じた句が混じる。余りに美に執着するので、美だけが俳句であるまい、美だけが芸術であるまい、と胸中に思ってしまう。経歴によって、俳句に執着した故もあるだろう。
 これだけの俳人が、歴史に埋もれるならば惜しい。
引用
 以下に5句を引く。
焼印の抜けんばかりに福杓子
佐渡びとの牛をあそばせ韮を摘む
紫陽花や任地変りしこと八たび(定年退職)
柿むくや徒食の爪ののびやすし
ああかくて胸に空洞蟻地獄
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写真ACより、「お花屋さん」のイラスト1枚。