風の庫

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苦しい

 今月2日の記事、山田詠美「蝶々の纏足」を読む、に次ぎ同書の「風葬の教室」「こぎつねこん」を読み了える。


蝶々の纏足・風葬の教室
 「風葬の教室」は転校した女生徒(中学生?)が、クラス員から苛められる話である。苛めがエスカレートして、「私」は死を決意する。しかし母と不良の姉の会話から、家族の幸福への責任を感じ、クラス員全員を心の内に殺す事を決め、翻意する。
 クラス員の仕掛けの言葉に、思いきり侮蔑を込めて返し、それは成功する。心の墓地の死体に、土も被せず、風葬とする事で、題名と繋がる。このような学級生活もまた、苦しいものだろうと、思いが湧く。


 「こぎつねこん」は短い小説である。母に童謡を歌ってもらうなど、親身にされた時、叫びを上げる発作が起きるようになる。後年、成長して男と同じ床で幸せに眠ろうとする時も、同じ衝動が湧く。
 幸福の中の孤独を知ったのか、「自分は幸福になってはいけない」と思い込んだのか、わからない。世間との違和感が、山田詠美を作家へ導いた事は確かである。


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 最近に手許に届いた、1冊と2誌を紹介する。
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 今村夏子の初めての長編小説「星の子」(単行本)が届く。
 同「あひる」を読むは、今月13日の記事にアップした。

 朝日新聞出版・刊。2017年3刷。
 これは失敗だった。内容は「あやしい宗教」に関わるものだった。僕は宗教嫌いである。
 「親しくない人と、宗教と政治の話はするな」と言われるが、本当だった。
 Amazonの古本を買ったのだが、カスタマーレビューを読んでいたなら、買わなかっただろう。少しネタバレ承知で、カスタマーレビューを読むべきと知った。

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 本阿弥書店より、綜合歌誌「歌壇」2019年7月号が、6月17日に届いた。
 11月号分まで、前払いしてある筈。
 角川「短歌」、「短歌研究」など、毎月読んでいる綜合歌誌に由って、詠む歌風も変わるのだろうか。

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 COCOONの会より、季刊同人歌誌「COCOON」Issue12が、6月17日に届いた。
 短歌が(文学が)苦しい時代に、若手歌人(1965年以降・生まれ)が、どう踏ん張っているか、読みたい歌誌である。


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