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 先の2月5日の記事「届いた2冊」で報せた内、藤野早苗・第2歌集「王の夢」を読み了える。
概要
 2014年11月20日、本阿弥書店・刊。427首、あとがきを収める。
 藤野早苗(ふじの・さなえ、1962年・生)は、結社歌誌「コスモス」選者、他に活躍している。第1歌集「アパカバール」(2004年・刊)がある。
感想
 一人娘さんの年齢で5歳(そう詠む歌が冒頭近くにある)から、中学校を卒業してしばらくまでの、歌を収める。
 父、義母、義弟らへの挽歌、他に優れた歌がある。しかし注目されるのは、一人娘さんの中学3年1月になっての不登校に共に苦しみ、解決法を見出す過程を描いた作品だろう。
 娘さんは予備校の高認コース、受験コースを経て、現在は大学在学中という事だ。
 人間と組織の不合理に苦しみ、解決へ踏み出す様は、感動的である。彼女が短歌を詠み読むことに救われた事も、原動力の1つだろう。自分ももっと早く短歌を始めていたら良かった、と思う時がある。
引用

 中学校へ娘さんが進んでからの歌のみより、7首を以下に引く。
謂れなき無視とあざけり極りて六月とある日子は壊れたり
拳もて女子を殴りし卑劣さを糺せば「男女同権」と言ふ
「母殺し」終へたるならむ十四歳げにすなほなる物言ひをせり
高校へは行かない受験はしないといふ 一月五日朝激震
学校に行かぬ以外は異常なし猫にわたしにやさしき少女
学校に行かずともよしたましひを傷つけてまで行かずともよし
四十分歩いて予備校通ひせる娘の靴の疲れすこやか