風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年2月20日で以って、Kindle本・短編小説「底流」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「柴田哲夫 底流」と検索すれば、すぐに出て来ます。柴田哲夫は、Kindle版・詩集「詩集 日々のソネット」、「改訂版ソネット詩集 光る波」と同じく、僕のペンネームです。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

詩人

 AmazonのKindleストアを見ていて、2冊をタブレットにダウンロードした。
モネ 傑作名画集
 1冊は、「モネ傑作名画集」である。25作品を収める。Kindle版:無料。
 現場での再撮影ではなく、画集からの再撮影、あるいは電子版画集からの編集だろう。
 油絵の盛り上がりには遠いが、バックライトの当たったような画面は1興である。



写真の上達には近道がある 重盛明人
 重盛明人「写真の上達には近道がある」、Kindle Unlimited版。本文35ページと短いらしい。
 最近、ミラーレス一眼カメラを買ったばかりで、詳しい操作がわからなく、本格の近道があるなら教わりたい。



三重県詩人集 vol.28
 結社歌誌「覇王樹」の顧問、橋本俊明氏に、同人詩誌「青魚」No.92(僕はソネット4編を寄せた)を送ったところ、お手紙とともにアンソロジー「三重県詩人集 vol.28」を贈って下さった。
 2020年4月1日、三重県詩人クラブ・刊。

 今回の3冊、読み了えたなら、ここで感想を述べたい。



 県内にお住まいの詩人・作家・評論家である、定道明さんより贈られた、短編小説集「ささ鰈」を読み了える。
 被贈は、先の5月28日の記事にアップした。リンクには概要を少し書き、関連過去記事へ遡れるので、ご覧ください。



ささ鰈
 2020年6月1日、編集工房ノア・刊。242ページに、10編を収める。
 祖母、母親、叔父、居合わせて倒れた老人、友人、高校生時代(僕が高校の後輩にあたると、初めて知った)の同級生、墓の改修などが淡々と語られる。
 定さんは「中野重治は僕の神様です」と公言する人だから、60年安保で挫折して以来の鬱屈はあるだろうが、それも傘寿近く年齢とともに薄れたのか。
 仕組まれたユーモアや色気はない。
 ひょうひょうとして、とぼけた味わいの作品もある。
 しまいの書き下ろし作品「ホーム」では、家族に唆されて老人ホームの見学に出掛けるが、これほどの県文壇の大人(うし)の晩年を、老人ホームで過ごさせる事になったら残念である。
 なお表紙絵は、鬼灯(ホオズキ)をデザイン化したものと思われる。




 県内にお住いの詩人・作家・評論家である定道明(さだ・みちあき、1940年・生)さんが、短編小説集「ささ鰈」を贈ってくださった。
 定道明さんの本では、2018年2月13日に、短編小説集「外出」を記事アップした。リンクより、過去記事へ遡れる。


 定さんは、略歴だけでも、4冊の詩集、7冊の小説、4冊の評論集(中野重治論)を、刊行している。Wikipediaの「中野重治」の項に、研究者として、名前と著作が載っている。

ささ鰈
 「ささ鰈」(2020年6月1日・付け、編集工房ノア・刊、242ページ)は、10編の短編小説を収める。心境小説に近く、初めエッセイ集かと思ったが、緒編の「犀星道」の主人公が「彼」であり、小説集と気づいた。僕のKindle本・短編小説「底流」の主人公も「彼」であり、名前を明かさない。
 定道明さんも傘寿近くなり、老いの心境、気にかかる思い出を、小説の形で残しておきたい、と思ったのかも知れない。


 県内にお住まいの詩人、西畠良平さんが贈ってくださった詩集、「溶け出した言葉」を読み了える。
 受贈は、今月15日の記事、入手した3冊を紹介する(8)にアップした。概要の1部を挙げたのでご覧ください。



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 31編の詩を収める。すべて14行詩である。ソネット詩集として構想されたらしい。
 しかしリルケ、ボードレール、谷川俊太郎のソネット、4行、4行、3行、3行のイタリア式でも、シェイクスピアの4行×3連+2行でもない。構想を崩して表記したらしい。

 同人詩誌「螺旋」の仲間だった時代があるが、批評会などで会う時が少なく、印象は薄い。
 ほぼ同年代の生まれで、作品「連帯を求めて孤立を恐れず」の反骨や、「溶け出した言葉」の危機感(今の政権の言語感覚のいい加減さに因る)を、表明している。
 「鉛の兵隊」では自衛隊の実戦能力がない、国民を守る意思がない、と主張するようだ。 
 「針山のレディバード」はレトリック的に優れており、末3行は「どちらにせよ ぼくは/凍えたまま 座り込んだ位置から動けずにいる/そして 少しずつ凍り付いていくだけだ」と、凍り付いても権力の側に行かない意志を表明する。「逝く夏」では、成熟があり、表現が整っている。
 西畠良平さんのこれからの作品にも期待したい。





 最近に入手した3冊を紹介する。

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 県内にお住いの詩人、西畠良平さんが、詩集「溶け出した言葉」を贈って下さった。
 2020年5月・付け、紫陽社・刊。
 66歳にしての、第1詩集である。



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 本阿弥書店より、総合歌誌「歌壇」2020年5月号が届いた。
 6月号以降も本誌を取ることに決め、近いうちに半年分の誌代を振り込む予定である。
 連載「平成に逝きし歌びとたち」は今号、二宮冬鳥である。彼を尊崇する鈴木竹志さん(「コスモス」でのかつての先輩)は、大喜びだろうか。
 同・4月号の感想は、先の3月23日の記事にアップした。




室生犀星作品集
 AmazonのKindleより、「室生犀星作品集」をタブレットに、ダウンロード購入した。
 室生犀星は気になる作家・詩人だけれども、作品集を持っていなかった。99円(税込み)より、Amazonポイント、6ポイントを引いての購入だった。1詩集1作品、小説1編1作品の数え方である。僕がかつて読んだ長編小説「杏っ子」が入っていない。
 Kindleで買った作品集では、「橘曙覧 全歌集」、「若山牧水大全」、「D・H・ロレンス詩集」などを読んだが、「与謝野晶子大全」はほとんど手付かずである。


 県内にお住いの詩人、N・としこさんが同人誌誌「角」第52号を贈ってくださった。
 2020年1月30日、角の会・刊。B5判、詩編1段組み、散文は2~3段組み。


「角」第52号

 同・第51号の感想は、昨年11月10日の記事にアップした。


 また海河童さんの写真集「Photo Collection of La Paz」Kindle版が無料キャンペーン中だったので、タブレットにダウンロードした。
 海河童さんの写真集として、先の1月26日の記事、「同 劒岳」に次ぐ。



海河童 ラパス

 「Photo Collection of La Paz」Kindle版は、メキシコの南のダイビングスポット「ラパス」での写真、127枚を収める。野生アシカと遊べるという。
 2017年2月4日、海河童本舗・刊。




 思潮社・現代詩文庫242「続続 荒川洋治詩集」より、「未刊詩篇<炭素>」7編を読み了える。
 先行する「詩集<北山十八間戸>全篇」を読む、は今月5日の記事にアップした。



 彼が「文学も出世の手段としか考えない」と、本音か、フィクション混じりにか、書いたことに就いて一言。日本の近代以降の文学者は、世のあぶれ者から出発しながら、芸術家のプライドを保って来た。その流れからすると、彼の1行は許せないかも知れない。しかしヨーロッパの近代文学が多くブルジョアの慰みごとであった事は措き、古代中国の詩人たちが、詩文に依って出世を計った事を考えると、彼の考えも納得できる。しかし現代日本は、古代中国とは違う。

 「伏見」より。「いめひとの伏見/の特徴だ」は、「伏見のいめひと(夢人を連想させる)」を、引っくり返しただけのようだ。「その日から私は変わったと/その日から 日本は変わったと/突然の美しい声で叫ぶ」の楽観には、むしろ危うさを感じる。
 「蔚山」より。戦前の親日作家「白鉄」が病気(肺結核?)の身で、「とてもよく してもらったので」住むことを決め、諦めない希望を「いまでもいちばん人はきれいだ」と、現代詩作家は讃える。
 「プラトン」は、「ソクラテスの弁明」とトルストイ「戦争と平和」を、混ぜ合わせたような作品だ。
 「炭素」は、16歳まで30年間、旺盛な活動をした(年代測定がくるっている)四国の四人の話が、四国生まれの目を治療する少女たちの話にすり替わる。
 「民報」では、「悪化した胸」の作家野川(島に帰った)を、四つ年下の東京の作家が、偲ぶ話である。旧友が村人と交わりを持てていることに、東京の作家は「ひそかに胸をなでおろし」ている。現代詩作家も、多くの旧友(恵まれた境涯にいない)を偲ぶのだろう。
 恩賜賞・芸術院賞を受けた荒川洋治氏の、これからの活動に僕は関心深い。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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