風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケは、2017年10月17日付けでのAmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)の発行に続き、第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」(縦書き)を、2018年5月31日、Kindleストアにて発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 2011年10月1日・刊の紙本「ソネット詩集 光る波」に、数十ヶ所の加筆をし、編集しました。
 販売ページは、Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 ソネット 光る波」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。右サイドバーのバナーよりも着けます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。

詩人会議

「水脈」61号
 今月21日の記事、「贈られた歌集と詩誌2冊」で報せたうち、詩誌「水脈」61号をほぼ読み了える。
 
同・60号に就いては、昨年8月26日の記事にアップした。
概要
 2017年12月28日、水脈の会・刊。A5判、50ページ。
 13名22編の詩(扉詩を含む)、2名2編の随筆、報告等5編、活動日誌、編集後記を収める。表紙絵、扉詩「月よ」、共にK・仙一さんの作品である。
感想
 「詩人会議」系の詩誌であるが、各人には異なった志向も見られる。
 K・通夫さんの「友への返信」、I・冴子さんの「その日」、I・義一さんの「優しい人たち」に政治性を読めるが、思想性はわからない。
 他は生活詩、境涯詩として読める作品である。お付き合いの長いI・信夫さんの「冬を越える」、「地の在りか」、S・周一さんの「蛸の一日」に、外からはわからない心境を窺えて、感慨がある。
 1泊での60号合評会、詩集出版記念会、「夏のつどい」と支える会合が持たれ、「水脈日誌」と共に記録もしっかり残されて、創作のモチベーション維持に役立つだろう。
引用

 Y・やよいさんの詩「まだらネコ」に魅かれた。ペットの死ではなく、人の死に際の(死の5段階「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の最終「受容」に至って、安らかに死を受け入れる)心情を、どこかで掴んだと思われる。3連の末連を引く。

  まだらネコ
    Y・やよい
……
冬も寒さは遠のいたある夜
ネコは冷たいコンクリートの道を
歩いていた
おひさまにみとられて死にたいと思ったが
本能がそうさせなかった
ネコが最後にふりかえって
小さな家を見つめると
あめ玉のような目から 涙が
流れ続けた



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 先日、「水脈の会」から贈られた、同人詩誌「水脈」60号を、ほぼ読み了える。同・59号の紹介は、今年4月14日の記事にアップした。
 記念号とは謳っていないけれども、招待作品、詩への思いをおもに集めた随筆欄、会・代表の巻末の「水脈六十号を迎えて」、「編集後記」がその祝意をあらわしている。
概要
 先の「水脈六十号を迎えて」に拠ると、1991年に創刊されている。「編集後記」に拠れば、会員18名、読者会員16名という事である。
 「詩人会議」系の福井県の詩誌として、力を発揮している。
感想
 招待作品では、W・本爾さんの「どこまでも いつまでも」にも心打たれる。力の籠もった、勇猛な想いを描く。それも遣り場のない怒りを、暗喩の世界で表わしている。
 同じく招待作品、A・菜ずなさんの「呼吸」は、遺作であろう。2017年7月26日に、亡くなった。生き方に、癌に、悩んだ人生だった。終い2行は、「私の魂は 嗚呼/今日も呼吸している」。
 N・千代子さんの「分断」に注目。政治は、大衆の政治離れの中で、悪化する。それも反権力側の無力に、幻滅する事から来る。
 詩のエッセイで、同じくN・千代子さんの「料理と詩」は、詩作を料理にたぐえ、材料を集め味付け彩りも考え、作るという。理路整然とし過ぎていて、全面的には肯いがたい。

引用
 I・冴子さんの「母を送る」が、細かく描いて、挽歌としてとても優れている。長い詩なので、とぎれとぎれの引用で拙いが、許されたい。

  母を送る

 母が死んだ
たった三十九日間の入院で
……
髪の手入れを欠かさなかった母のために洗髪を頼む
眼をつむったまま、実に気持ちよさそうだ
……
次の日も青空が広がって
「やっぱり晴れ女やねえ」と声があがる
……
「太陽の下で長い間よう働いたもの」
「どこもかも、やっと楽になったねえ」
あれこれ話しながら、軽くなった母を拾う
……
思いがけず激しく雪が舞っていた
「名残り雪だね」
きっと母が降らせたのだと、みんなが泣いた

母が死んだ
いのちには限りがある
最後は一握りの骨になる
そう伝えて、母は逝った






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