水脈の会より贈られた、詩誌「水脈」66号を読み了える。
 到着は、先の11月24日の記事、贈られた3冊にアップした。

 

 同・65号の拙い感想は、今年7月10日の記事にアップした。
 

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 「水脈」66号は、2019年11月6日・刊。67ページ。
 12名16編の詩、N・えりさんの小説2編、他に批評・随筆・報告など。

 H・はつえさんの詩「長閑な午後」では、害を与える猪に車を追突させた小父さんを描き、終連3行が「結局 トラックの前車体を随分凹ませただけだった/小父さんは泣く泣く家に帰りつくと/待っていた妻にひどく文句を言われたそうだ」と、民話風でユーモラスである。
 I・冴子さんの「半分しか」では、国政選挙の低投票率を嘆き、「投票が当たり前ではない時代があったのだよ/女性が参政権を得たのは/たった七十三年前なのだよ」と警鐘を鳴らす。
 政治路線的には、グループに困難な時代だろう。S・周一さんの詩「奇妙な日々」では、「そんな日がかならず来ると/白昼夢に酔い痴れる中」、「ここは「どこ」/いまは「いつ」」と、混迷の世に埋没する理想を描くようだ。