風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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象徴

 思潮社の現代詩文庫155「続・辻征夫詩集」より、3番めの「鶯」から、を読み了える。
 先行する「かぜのひきかた」から、は今月9日の記事にアップした。


 「鶯」は全16編である。「こどもとさむらいの16編」と副題があるからだ。うち9編を、この文庫は抄出している。
 冒頭の「突然の別れの日に」は、「知らない子が/うちにきて/玄関にたっている」と始まる。母はその子を迎え入れ、僕は声が出ない。僕はこのうちを出て、ある日別の子供になって、よそのうちの玄関に立つ宿命を知る。とても暗示的な詩である。小市民の良い子は、取り替え可能なのか。僕ではない、他の子が産まれても良かったのか。あるいは早いながら、自分の死を意識するようでもある。
 「鶯」は散文詩で、逆の立場のようだ。「十歳になろうかという女の子が一人、ぼくの家の玄関に立っていて、」と始まる。女の子は僕を非難するけれども、それは僕の幼年時代の仲間で、昔を忘れ損なっている。「あんまり大きなかなしみや苦悩はぼくには向かないから、」と困っている。そこへ妻が現れ、他に誰もいない風に振舞う。女の子は、幼年時代の純粋と悲惨を、象徴するようだ。あるいは少年少女時代に、敗戦の世相急変についてゆけなかった子かも知れない。
 「かみそり」「ちるはなびら」「どぶ」が、ひらがなばかりの作品で、僕に引っ掛かる。
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写真ACより、「ガーデニング」のイラスト1枚。


 

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 今月18日の記事、ブックカフェで1冊と、送られた1冊で、ブックカフェ・TSUTAYA BOOKSTOREにて文庫本1冊を買った事を報せた。

 三浦しをんの文庫本「風が強く吹いてる」を買った記事の末、まだ1冊、気になる本がある、と書いた。

 それで12月24日(第4火曜日)の午後、ブックカフェを再訪し、気になっていた写真集を買った。

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 読売新聞社の「令和の両陛下」である。2019年11月16日・刊。価格:1,100円(税込)。
 置き場所を覚え違いしていて、写真集のコーナーになく、店員に雑誌コーナーへ案内され、見つけた。支払いは現金だった。無理に電子マネーを使う事はない。カフェは先日より混んでいた。アイスコーヒーは前回ではブラックのまま飲んだが、今回は店員に訊いて、ガムシロップとミルクをセルフで取り、混ぜられた。本の1部をさっさと観て、カフェ・コーナーを出た。


 本はA4判より大きく、僕の多機能プリンタではスキャンできないため、台形補正機能のある古いカメラの久々の出番である。写真がくすんで粗いのはご容赦を願う。

 僕は皇室崇拝者ではない。まして天皇を元首に、と思わない。首相公選制を望むくらいである。
 即位の礼も、祝賀パレードも、テレビで観なかった。しかし写真集で廉価に出ると、1冊ほしくなる。典型的な本・人間であるらしい。

 「国民の統合」という抽象の象徴に人間が成る、という事は困難なように思える。でも天皇家は、「幸福な家庭」の象徴として機能したと僕は受け取っている。内実は、そうでない1部があるとしても。
 雅子皇后が1部の批判から、好意を取り戻した(外交で能力を発揮するなど)のは、佳い事である。これから「働く女性の象徴」として、ご活躍されるよう願う。


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