角川書店「増補 現代俳句大系」第11巻(1982年・刊)より、4番めの句集、目迫秩父「雪無限」を読みおえる。
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内藤吐天「鳴海抄」は、昨年12月7日の記事にアップした。
 原著は、1956年、琅玕洞・刊。
 大野林火の序文、432句(1946年~1956年の作品)、松崎鉄之助介の跋文、後記を収める。
 目迫秩父(めさく・ちちぶ、1917年~1963年、享年46.)は、敗戦直後に会社のスト犠牲者として退職、再就職するも結核を発病、再発を経て、若くして亡くなった。
 初期、赤子俳句で活躍した。「雪無限」は、1958年、現代俳句協会賞を受賞した。
 病気、貧窮と闘いながら作句を続けた。
 以下に5句を引く。
乳のむをやめて春日を眩しむや
せがまれしさかだち吾子と裸なり
雪降ればすぐさま濡れて童女なり
雪まみれなるおが屑も月下かな
若松や果つべきもなき喀血苦
焚き火4
フリー素材サイト「Pixabay」より、焚き火の1枚。