谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第2巻より、7回め、仕舞いの紹介をする。
 同(6)は、先の8月17日の記事にアップした。



ポオ全集 2
 「ポオ全集」第2巻の函の表を再掲する。

 第2巻の仕舞いは中編小説「ジュリアス・ロドマンの日記」で、244ページ~323ページ、80ページに渉る。
 副題にもあるように、「ロッキィ山脈最初の踏破記」である。第1章の長い序説のあと、第2章~第6章へと、日記形式で語られる。
 毛皮を求めて川を遡上し、草原の美しい景色、インディアンとの闘いを描き、赭熊の襲撃から逃れる所で、日記は了えられている。ロドマンが生活し、日記の残っている所から、この冒険は成功したのだろう。

 谷崎精二は解説で、「珍しい平明で清暢な物語である」と述べる。しかし少ない資料から、ポオが想像力を奮って描写して行く、苦悩が伝わって来る。

 これで第2巻を仕舞い、全6巻の第3巻に入る。