風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケ(ハンドル名)が、この10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

雁書館

 青磁社「永田和宏作品集 Ⅰ」(2017年5月・刊)より、第4歌集「やぐるま」を読み了える。
 
第3歌集「無限軌道」は、今月5日の記事にアップした。
 原著は、1986年、雁書館・刊。
 歌集名について、「π(ぱい)」などが候補に挙がったが、イメージ・チェンジして「やぐるま」に決まった経緯は、歌集で初めての「あとがき」で詳しく述べられる。
 作品は、1981年~1984年の4年間の作で、そのあと彼はアメリカで2年間の研究生活(家族同伴)を送る。
 彼は優しさに就いて、歌集「無限軌道」で「やさしさはやさしさゆえに滅ぶべし 夕ぐれの野を漕げる野あざみ」と読んで、圧し留めようとしている。
 それは歌壇や生物学研究で、ライバルと厳しく競争しなければならなかった故だろう。ただし女性歌人や子どもたちには、優しい面もあったようだ。
 また妻の歌人・河野裕子との関わりも、多く詠まれている。
 この期に、作品発表の他、評論(「普遍性という病」、「虚像論ノート」、他)、対談(斎藤史、岡井隆)、女性短歌討論会(河野裕子、阿木津英、道浦母都子、永井陽子ら)の企画・司会など、短歌活動は盛んだった。
 以下に7首を引く。
草原に汽罐車ありき鉄塊は銹びて臓器のごとくやさしき
もの言わで笑止の螢 いきいきとなじりて日照雨(そばえ)のごとし女は
将来を未来に賭けて待つべくも銹(さび)つつ虚空に朴(ほお)しずもれる
精神の岬灯(ひ)ともし怺えおるゆえ願わくば迂回されたし
悪口雑言いきいきとして艶めくに思えばおまえになき喉仏
あるときは枝として子がぶら下がるゆさゆさと葉を繁らせてわれは
にこやかにわれの時間をかすめゆく「できれば」と言い「ぜひ」と重ねつ
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写真ACより、「お花屋さん」のイラスト1枚。





 青磁社「永田和宏作品集 Ⅰ」(2017年5月・刊)より、第3歌集「無限軌道」を読み了える。
 第2歌集
「黄金分割」は、先の7月30日の記事にアップした。
 原著は、1981年、雁書館・刊。
 冒頭の「饗庭抄」は、生地の「饗庭(あいば)村」より採って、母恋の連作30首である。母の結核発病のため、2歳より近所に預けられ、4歳の時に母が亡くなり、彼には母の面影が無いという。想像の面影を顕たせるなど、哀切な連作である。
 また妻・河野裕子との葛藤、研究あるいは短歌のライバルとの競争、なども詠まれる。
 この間、1978年に31歳で理学博士となり、翌年に京都大学講師に採用された。短歌では、評論、討論会の企画・参加でも活躍した。
 以下に7首を引く。
立ちしまま浮子(うき)流れゆく流されて思えばわれに無き少年期
抱かれし記憶持たざるくやしさの、桃は核まで嚙み砕きたり
ささくれて世界は暮るる 母死にし齡に近く子を抱きて立つ
ずたずたにわれらさびしく眠る夜を遠く鳴きおりはぐれふくろう
敵として立たん覚悟のさしぐみて汗の鳩尾、壮年の坂
アノヤロウ、タダオクモノカ迸る蛇口の水に髪打たせいる
中枢を発して行き場失える怒り燃えおり 逆光の耳
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写真ACより、「お花屋さん」のイラスト1枚。




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