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 1月12日(土曜日)~1月20日(日曜日)、福井市美術館3階講堂「アートラボふくい」にて、『「雲を見る人」刊行記念 孤高の風景画家 曽宮一念展』が催されている。
 福井の山岳エッセイスト・増永迪男さんが、著書「雲を見る人 孤高の風景画家 曽宮一念」の刊行を記念して、親交のあった画家・曽宮一念、彫刻家・雨田光平の自身のコレクションより20余点を展示するものである。
 初日のイベントとして、福井市美術館館長の石堂裕昭さんとの対談会「孤高の風景画家 曽宮一念の生き方とその芸術について」が催された。
 写真は4枚のパンフの表紙で、2枚目に出展品1覧、3枚目に増永さんの略歴、4枚目に館長の略歴を載せる。折り畳んだので、皺のある事は、ご容赦願う。
 聴衆は用意された椅子1杯で、若干の補助椅子が出されたようだ。
 お2方共、聴衆を前にしての話は慣れているようで、堂々と対談は進んだ。増永さんの初公開の秘話の2、3や、展示の絵が登山家の目から写生から遠い事を絵の部分を指し示しながら説いた。
 大正13年頃、女流の先輩画家・中村つねとの交流とその若い死を経て、絵に開眼した様が興味深かった。
 晩年に緑内障で盲目となった曽宮一念は、プラスチックの枠を作らせ、その桝にサインペンでブラインドタッチで字を書き、その解読を増永さんがした、という話が面白かった。サインペンのインクが薄れてもわからず、ページを捲り忘れてもわからない、そのような原稿を解読した事で、数冊の随筆集が出版されたという。
 館長は、美術史等の観点から話を盛り上げ、定刻3時半に対談はおわった。僕はその本を買わなかった。近い内に寄付とネットバンク預金の予定があり、ぎりぎりだからだ。