青幻舎の文庫版「北斎漫画」(全3巻)の第1巻「江戸百態」より、第3章「動態活写」を見了える。
 同・第2章「日常茶飯」は、今月20日の記事にアップした。
 青幻舎の文庫版は、全およそ4,000カットを再構成した本である。

 第3章「動態活写」は、53ページに渉る。弓を射る武士、馬を駆る人物、銃を射る武士、半裸での遊び芸、相撲取り(執着したらしく、カット数が多い)などを描いている。相撲取りでは、横綱・谷風、野見宿祢・当麻蹴速の対戦まで挙げられている。
 そのあと、棒術に関心を寄せたらしく、約80カットを載せる。庶民の武術でもあったのだろう。
 しまいは、竹刀で対戦の武士で仕上げた。

 動きを入れると、第1章「人物絵鑑」と違って、デフォルメが多いようだ。
 これらの版画が、明治初期、陶器の輸出の詰め物として使用されたことは惜しい。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。