風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle・Unlimited版

 海河童さんの写真集「Photo Collection of Balicasag」Kindle Unlimited版を、タブレットで観了える。
 海河童さんの写真集として、昨年12月4日の記事、「同 はるかな尾瀬」に次ぐ。



海河童 Balicasag
 「Photo Colection of Balicasag」は、2019年1月26日、海河童本舗・刊。268ページ。
 バリカサグをスマホでググると、フィリピンのダイブサイト、バリカサグ島より、となっている。

 海河童さんの海中写真は進歩しているのだろう、心打たれる写真がほとんどだ。
 イソギンチャクとクマノミの共生は、人類へのメッセージのように、繰り返し現れる。
 ギンガメアジの魚群に巻かれる、自然に没入する至福を、僕たちは忘れて久しい。
 アメフラシのユーモア、大ウミガメの悠久に、学ぶところも多い。ただし撮影対象の名前は、一切載っていない。

 これほど素晴らしい写真集を、Kindle Unlimited(月額980円、読み放題)で観られることもありがたく、海河童さんのように自力出版を重ねている方を尊敬する。


 先日にAmazonよりタブレットにダウンロードした、海河童「さるでも歩けるはるかな尾瀬 Photobook」Kindle Unlimited版を観了える。
 海河童さんの本として、先の10月25日に記事アップした、「ダイビング川柳 其の参」Kindle Unlimited版に次ぐ。



海河童 はるかな尾瀬
  「さるでも歩けるはるかな尾瀬 Photobook」は、彼のガイド本「さるでもできるKindle写真集」(Kindle Unlimited版あり)の、出来上がりサンプル版である。Kindle写真集を作る予定はないので、今はサンプル版で十分である。
 Amazonの「Kindle Comic Creator」や1部、パワーポイントのソフトを使って、作成された。

 手軽な写真集として、優れている。僕は初めて尾瀬の写真集を観た。
 題材が、燧ケ岳(尾瀬沼の逆さ姿を含めて)と水芭蕉など、美しいが範囲が狭い。もっと他の花の写真を観たかった。
 でもニッコウキスゲの写真には、詩人・立原道造の愛でた花だったかと、感慨深かった。

 海河童さんはKindle出版の先駆者で、これまで多くのガイド本、写真集を出版して来た。今回、Kindle版・写真集作成の、新しいステージに進んだようである。


 先の9月18日の記事、入手した4冊(4)で紹介した内、小坂井大輔・歌集「平和園に帰ろうよ」Kindle Unlimited版を読み了える。
 書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズとして、9月15日の記事、寺井奈緒美・歌集「アーのようなカー」同を読むに次ぐ。

4・小坂井大輔 平和園に帰ろうよ
 「平和園」とは、名古屋駅西口にある、中華料理屋であり、小坂井大輔の実家で職場である。ここに多くの歌人が訪れ、歌人の聖地と呼ばれる。記名帳には、多くの歌人の名前が記され、憧れの地となっているという。
 笹公人のツイート写真では、小坂井大輔は体格の良い、スポーツマン風である。歌集には、試合・部室の語の入る歌もあった。フィクションも混じるだろうが、ヘタレの歌を詠み、生き辛そうである。
 歌集を進むに連れて、レトリックが上手になって、空転しているような歌はつまらない。
 短歌と人気と収入で、歌集出版に至ったことはめでたい。


 以下に7首を引く。
値札見るまでは運命かもとさえ思ったセーターさっと手放す
株券が紙きれになる阿阿阿阿と居間で小さな父がのた打つ
無くなった。家も、出かけたまま母も、祭りで買ったお面なんかも
雨の音をアプリで買って聴いている晴れの日こんな午後に死にたい
母親が手押し車を欲しがる日なぜか生あくびが止まらない
苦しいと狂おしいってよく似てるあめあめふれふれもっともっとだ
おれもテフロン加工してくれ困難で焦げつく身体だから頼むよ


 最近に入手した4冊を紹介する。
 同(3)は、昨年12月9日の記事にアップした。

1・大杉スミ子全詩集
 出版社の紫陽社より、「大杉スミ子全詩集」が送られて来た。県内在住の詩人自身の贈呈だろう。
 これまでの5詩集すべてを収める。2019年10月25日・付け・刊。309ページ。

2・歌集・甘藍の扉
 出版社の柊書房より、大野英子・歌集「甘藍の扉(かんらんのと)」を送られた。大野英子さんは「コスモス」の歌人で、僕は「コスモス」在籍中にもあまり関わりが無かったので、柊書房のご配慮だろう。
3・歌壇・10月号
 本阿弥書店より、綜合歌誌「歌壇」2019年10月号が届く。僕の予約購読している、月刊誌である。
4・小坂井大輔 平和園に帰ろうよ
 書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズ48、小坂井大輔の「平和園に帰ろうよ」Kindle Unlimited版を、Amazonよりタブレットにダウンロードした。
 平和園は、名古屋市にある中華料理屋さんで、短歌の聖地となっている。事情は歌人のブログ記事などに、よく出て来る。

 これまで記事にアップしなかったけれど、寺井奈緒美・歌集「アーのようなカー」Kindle Unlimited版をタブレットにダウンロードしており、先日に読み了えた。
寺井奈緒美「アーのようなカー」
 書肆侃侃房・新鋭短歌シリーズ46。同シリーズとして、先の8月3日の記事、二三川練・歌集「惑星ジンタ」に次ぐ。

 単行本:2019年4月11日・刊。価格:1,836円。
 Kindle版:2019年8月2日・刊。価格:1,600円。
 掲載首数、不明。東直子・解説「「そこにいた時間」の新しい豊かさ」、著者・あとがきを付す。

 優しさを施したい、求めたい心情がある。言葉の斡旋がうまく、レトリックが上手になって、人生の真実味が深まらないようだ。
 あとがきに「色を失っていたのは街ではなく自分自身だったのだと、ようやく気がついた。」とある。人生の暗部も見つめつつ、歌に拠って、危うい時代を生きて行ってほしい。

 以下に7首を引く。

舌打ちの音でマッチの火が灯るようなやさしい手品がしたい
フジツボのように背中を張り付かせ駅の柱はやさしい岩場
コピーアンドペーストのため囲われた文字に地下への隠し通路を
追い炊きのボタンを君に埋め込んで一年経つが未だ押せずに
戦前を生きるぼくらは目の前にボタンがあれば押してしまうね
街をいく人たちみんな大根を持っているけど何かの予兆
再生をされてトイレットペーパーになったら隣り合わせましょうね


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