kindle版「立原道造詩集」の5読めを終える。
 2016年6月24日に4読めを終えて(旧ブログ「サスケの本棚」の管理画面からの検索に拠る)以来である。
 この詩集は、2015年10月6日に、Amazonより、99円で買っている。81ページ。
 10インチ・タブレットの横長画面1面に、ほとんどのソネットが1編ずつ収まっており(2、3編の例外を除き)、とても読みやすい。
 今回は集中してではなく、寝る前に、喫茶店で、2、3編ずつ読み進めた。
 僕が今回、注目したのは、立原道造(1939年、24歳で没した)の、後期の作品である。
 例えば「また春に」の第2連、「花でなく 鳥でなく/かぎりない おまへの愛を/信じたなら それでよい/僕は おまへを 見つめるばかりだ」と書き、「ここがすべてだ!……僕らのせまい身のまはりに」と終わる。
 また「ふるさとの夜に寄す」第2連では、「いまは 嘆きも 叫びも ささやきも/暗い碧(みどり)の闇のなかに/私のためには 花となれ!/咲くやうに にほふやうに」と書いた。
 1931年の満州事変、1937年からの日中戦争に入っており、没年には第2次世界大戦が始まり、1941年の太平洋戦争へ傾く、暗い時代に、社会や自然にも背を向け、恋人と詩の世界に籠ろうとした。
 暗い時代の詩人の在り様を示した、作品群である。
ツララ2
Pixabayより、氷柱(つらら)の1枚。