森瑶子の短編小説集「男三昧 女三昧」を読み了える。
僕がこの本を読み始めたのは、8月8日から9日に替わる真夜中で、読み了えて寝入った。朝の5時頃、鼻より少し嘔吐があった。ティッシュで拭いて寝入った。午後3時になって、熱が37・5度あり(僕の平熱は35度台)、S病院の時間外診察を受けた。2時間の点滴、レントゲン検査、CT検査により、肺炎養生他で数日間の入院となった。
胃腸の膨満感がありながら、久しぶりに読む森瑶子の小説は(僕の本棚にある、彼女の最後の小説)夜半より読み了えるほど魅力的だった。ずいぶん煽情的である。不倫や倦怠期で別れかける夫婦から、家庭生活を守るために定期的に男漁りを続ける主婦、一途な女性の思いに男性がようやく気付くが結ばれない、など女性の情念を描いて見事である。
森瑶子は1977年、37歳でデビュー、1993年に惜しまれて亡くなる短い作家生活で、100冊以上の本を生んだ。日本のバブル期を駆け抜けるようだった。
新婚時代の僕たち夫婦も、彼女の文庫本を読みあさったものだ。