沖積舎「梅崎春生全集」(全8巻)の第2巻(1984年・刊)より、前ブログ「サスケの本棚」と通算して第5回めの紹介をする。
今回、僕が読んだのは、「麵麭の話」、「蜆」、「虹」の3短篇小説である。
「麵麭の話」は、ご飯も食べられぬ戦後の貧しい家庭を持つ男が、裕福な知人の家で、白いパンを何個か盗んで、家に帰ろうとする主ストーリーである。ここにあるのは、法的な問題ではなく、倫理的な問題であり、背後に社会的問題がある。
「蜆」は、蜆の闇屋をする男と、「僕」が外套の遣り取りのあと、男が「浅墓な善意や義侠心を胸から締出して、俺は生きて行こうとその時思ったのだ」と告白する。
「虹」は、善意の学者の「先生」と、彼から翻訳の下請けを貰っている「私」と、街娼になれない「花子」の、心理的に絡み合うストーリーである。
いずれも敗戦後すぐの、荒廃した人心を描いている。
小説は、紹介するより、読んで貰う他ないものだ。
梅崎春生は、1915年・生、1965年・没、享年わずか50.だった。

フリー素材サイト「Pixabay」より、りんごの1枚。
今回、僕が読んだのは、「麵麭の話」、「蜆」、「虹」の3短篇小説である。
「麵麭の話」は、ご飯も食べられぬ戦後の貧しい家庭を持つ男が、裕福な知人の家で、白いパンを何個か盗んで、家に帰ろうとする主ストーリーである。ここにあるのは、法的な問題ではなく、倫理的な問題であり、背後に社会的問題がある。
「蜆」は、蜆の闇屋をする男と、「僕」が外套の遣り取りのあと、男が「浅墓な善意や義侠心を胸から締出して、俺は生きて行こうとその時思ったのだ」と告白する。
「虹」は、善意の学者の「先生」と、彼から翻訳の下請けを貰っている「私」と、街娼になれない「花子」の、心理的に絡み合うストーリーである。
いずれも敗戦後すぐの、荒廃した人心を描いている。
小説は、紹介するより、読んで貰う他ないものだ。
梅崎春生は、1915年・生、1965年・没、享年わずか50.だった。

フリー素材サイト「Pixabay」より、りんごの1枚。