風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2020年09月

 筑摩書房「ウンガレッティ全詩集」より、詩集「喜び」を読み了える。
ウンガレッティ全詩集
 1988年・刊、河島英昭・訳。514ページ。函がヤケている。
 2011年12月に、所蔵している記録があるのみなので、ブログ「サスケの本棚」開始の2007年以前に古本を購入したものか。
 僕は購入より何10年かして、読み始める事がある。購入して1年で読まなければ処分する、という誰かの杓子定規な扱いができない。

 この度、読む気になったのは、職をリタイアして7年、古希にもなったので、外国の詩人も職無しのさまよい人と捉えたなら、読める気がして来たからだ。昔、詩誌「群青」の相棒・こぐま星座さんと「外国の詩は難しいね」と語り合ったが、その時はお互いに仕事があった。

 ウンガレッティは、クァジーモドと共に、戦後イタリアの大詩人である。(僕は「クァジーモド全詩集」も持っている)。エジプトでイタリア人の両親のもとに生まれ、1912年、24歳でイタリアに短期滞在し、パリへ移り、大学で学ぶ。1915年、第1次世界大戦にイタリア兵として従軍、1918年に除隊したらしい。


 「喜び」には、パリ時代、従軍時代の詩が収められている。詩「苦しみ」より、「だが嘆きを糧にしては生きるな/盲鶸のようには」とうたう。除隊直後には、「見出された女」で女性の豊穣を、「祈り」で神への祈りをうたって、詩集「喜び」は閉じられる。



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 初めてのYouTubeです。
 庭の棕櫚の大木(植えて40年、10メートル以上)です。

 YouTubeデビューできるでしょうか。


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 「開高健 電子全集」特別限定無料版より、「ベトナム戦記」前半を読む。
 同「掌のなかの海」は、今月21日の記事にアップした。




 元々「ベトナム戦記」は「週刊朝日」1965年1月~3月に連載され、1965年3月20日に刊行された。
 僕の持っている「開高健全作品」全12巻の内、第11巻「エッセイ2」に載っている。その127ページ~212ページの内、限定無料版では初めより152ページまでしか載らない。
 その後もクーデター、VC少年兵の公開銃殺とその報復テロ、戦闘従軍記など、重要な場面が続くのだが。いつか限定無料版の以降を読みたい。
 限定無料版では「ベトナム戦記」となっているが、原型は「ヴェトナム戦記」である。
 (現在のベトナムは、経済的に繁栄していると読むが、そうなら喜ばしい。)
 開高健の小説は、文庫本で多くを読んだが、いつの日か、再読を含めて「全作品」を読みたいと思っている。
カービン銃
写真ACより、「カービン銃」のイラスト1枚。


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 KIndle本の「開高健 電子全集」特別限定無料版より、短編小説集「珠玉」の「掌のなかの海」を読み了える。
 入手は、今月19日の記事、入手した3冊を紹介する(10)にアップした。


 「掌のなかの海」は、回想記風に始まる。作家デビューした作者が、焦燥のあまり寄るバーで、高田先生と呼ばれる老人と知り合う。高田老人は医師だったが、スキューバダイビングの用意をして行方不明となった一人息子を探して、日本各地のポイントを追ったが無駄で、海を墓守の心境で暮らそうと、船医になる。
 作家は誘われて下宿を訪い、飲み直す。先生は「さびしくて、さびしくて、どうもならんです」と泣き出し、大泣きとなる。
 僕は作家の筆力に感心するが、内容は感心しなかった。人生でもっと苛酷な体験をした人は多い、と思っているからである。
バー
写真ACより、「バー」のイラスト1枚。



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 9月19日(第3土曜日)の午後一時半より、県教育センターの会議室を借りて、県詩人懇話会・主催の「第42回会員の詩書を祝う会」が持たれた。
 今年2月17日の記事、第41回・同に次ぐ詩の催しである。



祝う会全景
 第42回の今回は、コロナ禍のもと、体温検知、マスク着用の上の参加で、事務局に拠ると17名(写真に入らない人を含む)の参加だった。
 T・Aさんの司会のもと、懇話会代表のW・Mさんの開会挨拶で祝う会が始まった。挨拶では、「作者の素顔を、どういう思いを込めているかを、楽しみに、有意義な会にしたい」とも述べられた。
 今日の対象の3冊の著者、3名が詩1編を朗読した。
 次に1冊ずつ、著者へのインタビュー(前以って決めていた)があった。

 こじまひろ・詩集「逝き咲き」には、S・Sさんがインタビューした。60代からの異色の詩人である、素晴らしい後半生だと讃えられた。また「絶縁体」では、大工だった経験を活かして、古家の電気配線になぞらえて、生を語った。
 西畠良平・詩集「溶け出した言葉」は、K・Hさんがインタビューした。著者は、若くから詩を書いていたが、新聞記者となって作品の発表を制限し、新作31編で詩集を成し、遅い第1詩集となったと語った。詩集に頻出する「あなた」とは誰かの問いに、神であり(彼はクリスチャンである)、不特定多数であり、妻を含む特定の女性である、と答えた。これからのテーマを、リアリズム・オンリーでない時事詠としたいと語った。

 立石百代子・詩画集「喰うな!おれのだ!」は、インタビュアー予定のY・Mさんが都合で欠席なので、司会のT・AさんがY・Mさんの質問事項を読み、著者が答えた。著者は、高齢者にも文字を読んでほしく、詩画集を成したと語った。アフリカ訪問の経験が大きく、スラム街、サバンナの没り日にも打たれ、ライオンが草食動物を育てた話を、主題とした。娘さん、お孫さんが絵を担当し、次の詩画集のプランもあると語った。

 参加者は多くなかったが、会場からの発言も多く、盛会だった。予定をやや押して、4時20分頃に散会した。





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 最近に入手した3冊を紹介する。
 先日、本阿弥書店より総合歌誌「歌壇」2020年10月号が届いた。

「歌壇」10月号
 10月1日・付け・刊。169ページ。
 特別企画・歌壇賞作家競詠が注目される。短歌甲子園2つが中止だったか、記事を見ていない。


特別限定無料版
 「開高健 電子全集」特別限定無料版をダウンロードする。
 2018年1月5日、小学館・刊。推定320ページ。
 開高健のKindle版作品を無料で読めると、喜んではいけない。ほとんどは抄出版であり、全編を読むには有料版を買うしかない。


大人のためのデジタル一眼入門
 「大人のためのデジタル一眼入門」Kindle Unlimited版を、タブレットにダウンロードする。
 2015年4月24日、インプレス・刊。河野鉄平・著。推定160ページ。
 未だにデジタル一眼の入門書を読もうとしている。





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 谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第3巻より、1回めの紹介をする。
 先行する「同 2」を読む(7)は、今月7日の記事にアップした。




ポオ全集第3巻
 「ポオ全集」第3巻の函の表である。1969年第1刷、1978年第5刷。

 第1編は、「ハンス・プファアルの無比の冒険」である。オランダで困窮したハンス・プファアルが気球を造り、工夫を凝らして月世界に至るという話である。長文の手紙が月の住人によって届けられ、真相がわかる。
 気球程のもので、月に至れない事は、現代の科学で明らかである。月到着の願いは古くからあり、色々な物語を生んだとしても、これは上手な部類ではないだろう。

 第2編は、「メエルストルムの渦」である。「大渦に呑まれて」「大渦の底へ」の訳題でも有名な短編である。大渦に巻き込まれた小漁船で、主人公が、大きいものや丸い物が早く沈む事を発見し、樽に身を縛って飛び込む事で、死を免れる。しかし樽に身を縛っては、海水も飲むだろうし、現実的なストーリーに思えない。前作と共に、当時の科学の知識が先行し、今の読者の感興が大きくない。



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