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 昨日に紹介した2冊の内、A・幸代さんの個人詩誌、「野ゆき」vol.8を読み了える。
 
同・vol.7は、昨年10月21日の記事にアップした。
概要
 自身が年1回くらいの発行、と話していた。他に福井県詩人懇話会・刊の年刊アンソロジー「詩集ふくい」に発表の場がある。
 この詩誌は、2017年冬・と記されて発行されている。
 「ありがとう」、「ひっくり返る」、「雀」、「落ち葉」、「遠い約束」の短い詩5編が、横長1ページに1編ずつ収められている。
感想
 彼女は僕より少し年上な、芯のしっかりした、誠実な方である。僕のように、いつまでもあちこち跳び回ってはいない。誠実さを表わそうとすると、自分の中の歪みを意識して、ためらったり、疑念を持ったりしてしまう。
 それを表わせるのは、彼女が大人なのだろう。その誠実さは、娘さんにも継がれて、詩「ありがとう」になっている。
 時事を思わせる「雀」、生を思う「落ち葉」、艶のある「遠い約束」、いずれも佳品である。
引用

 ユーモラスで、幸せそうな、「ひっくり返る」全編を引く。

  ひっくり返る

やんちゃなくせに
むくれてひっくり返る
取扱説明書が欲しいものだと
娘と話していた
敵もさるものひっかくもの
予約までして借りた本を
珍しく熱心に読んでいた
「かあちゃんトリセツ」
ひっくり返るのはこちらの方だ