角川書店「増補 現代俳句大系」第13巻(1980年・刊)より、9番目の句集、寺田京子「日の鷹」を読み了える。
今月11日の記事、文挾夫佐恵「黄瀬」に次ぐ。
概要
原著は、1967年、雪檪書房・刊。349句、著者・後記を収める。
寺田京子(てらだ・きょうこ、1921年~1976年)は、肺結核のため20余年の療養生活を送る。1960年頃より、放送ライターとして自立。
1944年に作句を始め、1954年に加藤楸邨「寒雷」に参加、1970年に同門の森澄雄「杉」創刊に参加。
北海道・在住、生涯独身。
感想
第1句集「冬の匙」に次ぐ、第2句集である。現代俳句協会賞・受賞。
戦争と結核に災いされた生涯だと思う。54歳で心肺不全で亡くなっている。
心の支えを、俳句に求めたのだろう。
妻の座を、軽く妬む句がある。
当時の風なのか、字余りの句が多い。「デモに余る力花火に火をつけて」など、政治に関心を持った跡がある。
引用
以下に5句を引く。
枯風や貼られて生きる戦後の地図
雪迅しもだす嫉妬は手がかわく
花火消え石ら眼をもつ空知川
主婦の名が縛す友の背鷹が飛ぶ
緑噴きあげし山脈妻になれず

写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。


今月11日の記事、文挾夫佐恵「黄瀬」に次ぐ。
概要
原著は、1967年、雪檪書房・刊。349句、著者・後記を収める。
寺田京子(てらだ・きょうこ、1921年~1976年)は、肺結核のため20余年の療養生活を送る。1960年頃より、放送ライターとして自立。
1944年に作句を始め、1954年に加藤楸邨「寒雷」に参加、1970年に同門の森澄雄「杉」創刊に参加。
北海道・在住、生涯独身。
感想
第1句集「冬の匙」に次ぐ、第2句集である。現代俳句協会賞・受賞。
戦争と結核に災いされた生涯だと思う。54歳で心肺不全で亡くなっている。
心の支えを、俳句に求めたのだろう。
妻の座を、軽く妬む句がある。
当時の風なのか、字余りの句が多い。「デモに余る力花火に火をつけて」など、政治に関心を持った跡がある。
引用
以下に5句を引く。
枯風や貼られて生きる戦後の地図
雪迅しもだす嫉妬は手がかわく
花火消え石ら眼をもつ空知川
主婦の名が縛す友の背鷹が飛ぶ
緑噴きあげし山脈妻になれず

写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。


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