
砂子屋書房の現代短歌文庫92「続 米川千嘉子歌集」(2011年・刊)に入り、初めの歌集「たましひに着る服なくて」を読み了える。
「正・同」と「続・同」の購入は、先の2月16日の記事、届いた4冊(2)にアップした。
「正・同」のしまいの「歌論・エッセイ」と「解説」の感想は、先の3月30日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡り得る。
概要
「たましひに着る服なくて」は、1998年、砂子屋書房・刊。第3歌集。402首、著者・あとがきを収める。
前歌集との間、1996年に父を亡くし、多くの挽歌を詠んだ。
感想
子育てはそれぞれ個性があり、その点も楽しんで読んだ。
夫の科学者・歌人、坂井修一の研究者としての奮闘ぶりを、伺わせる作品もある。
夫・1人子との3人家族を淋しむような歌、1女性としての悲しみを詠むような歌がある。
父が病み(わが子、つまり孫との交流もあった)、介護の歌、亡くなってもの恩愛を詠む。
引用
多くの付箋を貼ったが、以下に7首を引用する。
みづあふれ子どもは生まれみづは閉ぢこの子どこかへかへりたさうで
秋霖のなか出でゆけり血のやうな速度感生きてひとりなる夫
小さき手切りてわが手にもち歩きし夢のかなしみ紅葉のなかに
おにぎりをこの子は好みまつ白き爆弾のやうな塩にぎり食む
死の際に間に合はざれば父を呼ぶこゑはをりをり胸よりのぼる
時間をチコに返してやらうといふやうに父は死にたり時間返りぬ
遊覧船に家あるつばめ日々顔のかはる息子と渡る芦ノ湖

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