福井県俳句作家協会「年刊句集 福井県 第57集」より、4回目の紹介をする。
 同・(3)は、先の4月24日の記事にアップした。
概要
 1年に1集ずつ発行されて来たとすると、創刊は1962年になる。俳人協会から伝統俳句協会が分離した年である。危機感を持つ県内の俳人が多かったのか、現代俳句協会を含めて、3派が合同して県組織を創立し、年刊句集を発行し、現在に至るようだ。
感想
 今回は、坂井地区(坂井市、あわら市)の13ページ(108ページ~120ページ)の26名、260句を読んだ事になる。
 同・(3)の41ページ、810句に比べて、かなり少ない。人口数の違いであり、文化への関心度の違いではないと信じたい。
 「世情は変わっても自然は変わらない」という考え方があったが、自然開発が進み、災害・異常気象が進むと、「自然は変わっても人情は変わらない」とも考え得る。
 年刊句集の句が、多く有季定型であり、季節の詩として俳句は貴重である。
引用

 以下に5句を引く。
初旅や三か所の子に餅配る(A・昭三)
人影も見えぬ野面の極暑かな(S・潤子)
日捲りも薄くなりけり涼新た(W・千加江)
スマホで見る天気予報や稲刈り日(T・政三)
着崩れし踊り浴衣や水を飲む(I・房枝)
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。