風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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インタビュー

 9月19日(第3土曜日)の午後一時半より、県教育センターの会議室を借りて、県詩人懇話会・主催の「第42回会員の詩書を祝う会」が持たれた。
 今年2月17日の記事、第41回・同に次ぐ詩の催しである。



祝う会全景
 第42回の今回は、コロナ禍のもと、体温検知、マスク着用の上の参加で、事務局に拠ると17名(写真に入らない人を含む)の参加だった。
 T・Aさんの司会のもと、懇話会代表のW・Mさんの開会挨拶で祝う会が始まった。挨拶では、「作者の素顔を、どういう思いを込めているかを、楽しみに、有意義な会にしたい」とも述べられた。
 今日の対象の3冊の著者、3名が詩1編を朗読した。
 次に1冊ずつ、著者へのインタビュー(前以って決めていた)があった。

 こじまひろ・詩集「逝き咲き」には、S・Sさんがインタビューした。60代からの異色の詩人である、素晴らしい後半生だと讃えられた。また「絶縁体」では、大工だった経験を活かして、古家の電気配線になぞらえて、生を語った。
 西畠良平・詩集「溶け出した言葉」は、K・Hさんがインタビューした。著者は、若くから詩を書いていたが、新聞記者となって作品の発表を制限し、新作31編で詩集を成し、遅い第1詩集となったと語った。詩集に頻出する「あなた」とは誰かの問いに、神であり(彼はクリスチャンである)、不特定多数であり、妻を含む特定の女性である、と答えた。これからのテーマを、リアリズム・オンリーでない時事詠としたいと語った。

 立石百代子・詩画集「喰うな!おれのだ!」は、インタビュアー予定のY・Mさんが都合で欠席なので、司会のT・AさんがY・Mさんの質問事項を読み、著者が答えた。著者は、高齢者にも文字を読んでほしく、詩画集を成したと語った。アフリカ訪問の経験が大きく、スラム街、サバンナの没り日にも打たれ、ライオンが草食動物を育てた話を、主題とした。娘さん、お孫さんが絵を担当し、次の詩画集のプランもあると語った。

 参加者は多くなかったが、会場からの発言も多く、盛会だった。予定をやや押して、4時20分頃に散会した。





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このセルパブ2020版
 同・編集部・編(編集長・藤崎ほつま)のKindle Unlimited本、「このセルフパブリッシングがすごい!2020年版」を走り読みする。
 ダウンロードは、今月3日の記事にアップした。



 この「すごい!」は紙にして360ページあり、とても通読できない。予定の3年を越え、4年めとのこと。
 ランキング、特別インタビュー・4本、コラム・13本、短編小説・3本、目録、編集後記などを収める。SF、BLものなどを含む。
 特別インタビューでは、電子書籍のユーザーの年代、出版のテレビ的な姿勢が論じられる。インタビューを受けるのが夢だった、という作家もいる。現実がSFを越えている、というバーチャルを描く。
 収入は、生活を賄う程ではないが少しある、という作家もいる。執筆愛と、わずかな収入、名誉欲が、セルパブ小説の作家を続けさせるのだろう。



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 2月15日(第3土曜日)の午後一時半より、県教育センターの1室で、県詩人懇話会・主催の「第41回会員の詩書を祝う会」が持たれた。
 詩の催しとして、昨年10月22日の記事、「ふくい県詩祭in三国」に次ぐ。ただしこの間に、僕が参加しなかった、詩書を祝う会があったようである。



 参加者は26名で、事務局の想定を大きく越えた。
 H・信和さんの司会のもと、詩人懇話会・代表のW・本爾さんの開会挨拶のあと、当日の朝に亡くなられた会員・神子萌夏さんへ黙祷が捧げられた。

 M・あずささんの詩集「その心の海は」に就いて、A・雨子さんがインタビューした。内容と微細に触れつつ、スムーズな進行だった。
 Y・清吉さんの詩集「自然生死」に就いては、K・久璋さんが前以って質問事項をY・清吉さんに提出し、それに答える形で、原稿が読まれた。
 82歳にしての第1詩集、S・章人さんの「在所」に就いて、S・周一さんがインタビューした。S・章人さんの詩以外の文化的業績にも関わるものだった。

 詩集刊行者にインタビュアーより花束が贈られ、予定よりやや押して、午後4時20分頃に散会した。僕はカメラマン役だった。内容は懇話会会報に載るだろう。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。


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 まだ購入を報せていなかったけれども、文春文庫「羽生善治 闘う頭脳」(2017年・6刷)を読み了える。
 8月27日に、メルカリの380ポイントで注文した。

闘う頭脳
 今月2日の記事、羽生善治「決断力」を読む、で僕は疑問を感じるようになったと書いた。
 それなのになぜ読んだかといえば、この本は音楽のリスペクト盤CDみたいなもので、ゴーストライターの入る余地は少なく、インタビュー、他棋士の寄稿、対談、エッセイなどを集めた本だからである。
 谷川浩司を目指し、森内俊之、佐藤康光、藤井猛、郷田真隆、深浦康市ら、ライバルと共に、盤上で闘い続け、様々な要点を掴む様が描かれる。
 対局は、勝負というより、棋力の向上、棋理の究明につながる事として指される。
 対談で、引退要因などを訊かれるが、どのような時と明言していない。同世代が盛りを過ぎるなか、彼の孤独な闘いは続くだろう。


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 今月6日の記事、入手した5冊(2)で紹介した内、4冊めの記事アップである。
 季刊誌「考える人」(新潮社)2010年夏号より、「特集 村上春樹 ロング インタビュー」のみを読み了える。
 「考える人」は、2002年7月・創刊、2017年春号(第60号)で休刊した、ハイセンスな雑誌である。雑誌として大判で、ほぼB5判である。この号には、養老孟司の対談、内田樹の対談、花森安治伝なども載っていて、関心を寄せる人もいたが、僕はCPを考えると読めない。

 インタビューは、聞き手・松家仁克で、2夜を挟んで3日間に亘っておこなわれた。インタビュー集「夢を見るため毎朝僕は目覚めるのです」に収められていない。時期的に遅れたか、内容の重複に由るのだろう。
 あいかわらずの村上春樹・節である。社長の成功談にも聞こえる。当時は(今は知らない)絶大な読者数、特に海外ファンを誇っていたから、自信も肯える。
 これまでと繰り返しの話も多いのだが、アメリカの翻訳者や編集者と親しくなった件りに、心惹かれた。
 長編小説の最新作、「騎士団長殺し」には感心しなかった僕だが、次の小説の刊行を待っている。



 
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 最近に入手した5冊を紹介する。今年の2月26日の記事、入手した5冊以来である。
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 楽天ブックスより、綿矢りさの小説「手のひらの京(みやこ)」(新潮文庫)を買った。わずかだが楽天ポイントが溜まったので、それを含めて。ポイントを長期的・大量に溜められないタイプ(1部では違うが)の僕である。
 話題になった「蹴りたい背中」も、文庫本棚にある筈だが、どこにあるか判らない。

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 思潮社の現代詩文庫で、「続々 荒川洋治詩集」が出た(2019年6月15日・刊)ので、A・雨子さんを誘って共に、Amazonより買った。表紙画像はテカリを防ぐため、ビニール・カバーを外してスキャンした。
 初期詩集「チューリップ時代」、「荒川洋治全詩集」、詩集「北山十八間戸」他を、読み了えたのち、処分してしまった。現代詩文庫で「荒川洋治詩集」、「続 同」、「続々 同」が手許にあるのみだ。

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 詩人会議系の「水脈の会」から、詩誌「水脈」65号が届いた。新規会員・若干名、復帰会員・若干名があり、喜ばしい。
 時にはここで辛口の感想を述べるのに、寄贈してくださって、有り難いことである。

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 フリーマーケット・サイトのメルカリから、季刊誌「考える人」(新潮社)2010年夏号を、500ポイントで買った。表紙写真でおわかりの通り、「村上春樹 ロング インタビュー」が載るからだ。
 2010年、文芸春秋・刊のインタビュー集「夢を見るため毎朝僕は目覚めるのです」に収められていない。あるいは単行本・未収録かも知れない。

海河童 昭和記念公園
 昨年7月14日の記事、さるでもできるKindle電子出版2018の著者、海河童さん(さん付けは、電子出版が副業なので)のツイートをフォローしたところ、ダイレクトメッセージが来て、ただいまKindle本・写真集を無料セール中ということで、「昭和記念公園」をAmazonよりタブレットにダウンロードした。少し捲ったところ、花の写真が多いようで、僕の好みの本である。


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 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年3月号を、短歌作品中心に読み了える。
 到着は今月16日の記事
「届いた4冊(2)」の、初めにアップした。リンクより、過去号の感想へ遡り得る。

 巻頭作品20首では、佐佐木幸綱(以下、敬称・略)「岡本太郎の絵」に、老い初めた心境を詠むようで、心惹かれた。5首目の下句「時代か嘘か愛か怒りか」は、4句「時代の嘘か」としたかったかと、勝手に思い込む。「愛と怒り」は、若い頃の佐佐木幸綱のテーマだった。河出書房新社「佐佐木幸綱の世界」全16巻より、歌集篇すべてを読んだ頃が懐かしい。

 特集「復刻してほしい歌集歌書」は、マニアックな本ばかりで、復刻されても読みたいものは殆んどない。

 「作品12首」では、栗原寛「わが私小説」の3首目、「過去と過去すれちがはせる申し訳程度の笑みと会釈かはして」が、古い知人との遭遇を描いて、上品である。

 「作品7首」では、稲垣紘一「「後期」保険証」の4首目「七十五歳の朝にまみえてヒリヒリと脱皮不全の身の置き所」に惹かれた。世への欲求が残って、隠居できないのだろう。

 インタビュー・小島なお(聞き手 佐佐木定綱)は、同年齢の若者らしく、僕に不明の点も含めて、若者の歌について深く語り合っている。「基本的歌権」には表現尊重の意味で、賛成である。歌会で指導者が、あまりな評や改作をするのを、長く見て来たから。


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