風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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モノクロ写真

 先の6月29日の記事、届いた2冊を紹介する(13)でアップした内、結社歌誌「覇王樹」2020年7月号を読み了える。
 これで(13)は、青木祐子「これは経費で落ちません! 7」と共に、2冊の感想をアップし了えた事になる。



 上記リンクには、同・6月号の感想、結社のホームページ「短歌の会 覇王樹」、僕の6首・他、3つへのリンクを貼ったので、ご覧ください。

「覇王樹」7月号
 7月号の表紙である。

 7月号には、巻頭の「橋田東聲の歌」6首(歌集「地懐」より)から始まり、巻頭八首抄(1首×6名)、同人特選の「爽什」6首×10名、「文月10首詠」10首×4名と続く。同人の3集、準同人の「紅玉集」、会員の「覇王樹集」に、各名6首ずつ収められる。

 顧問、H・俊明さんの「覇王樹人の歌碑(43)金子信三郎の歌碑」が、モノクロ写真2枚と共に、見開き2ページに載る。
 顧問、W・茂子さんの連載エッセイ「落とし文考(67)」、編集委員、S・素子さんの研究「後水尾院時代の和歌69 ―七夕御会ー」が、共に1ページである。募集エッセイの「私の好きなこと・もの」は2名1ページに収める。


 題詠「風」(僕は欠詠した)は19名が1首ずつ寄せた。「受贈歌誌抄」は、2誌の5首ずつを取り上げる。「私の選んだ十首(五月号)」は、「覇王樹」5月号の10首選を3名が寄せた。
 各集の5月号の批評を、評者4名がピックアップして評している。「受贈歌集紹介」では、6冊を2ページに渉って手厚く紹介する。各地の歌会も紹介される。
 佐田代表の「令和二年、春」12首は「現代短歌新聞」五月号より、S・素子さんの1首と短文「桜とわたし」は「梧葉」春号より、H・美智子さんの「天よ」5首は「現代短歌新聞」五月号より、それぞれ転載された。


 以下に2首を引き、寸言を付す。
 H・俊明さんの「彩虹」6首より。
苞もたげ雪餅草の光抱く白にも濃さのあるを気づきぬ
 昔の20年間、3坪の温室でカトレアなどを咲かせたので、花の色は絵にも写真にさえも写せないと知らされた。
 佐田代表の「五年を経たり」6首より。
君の着し背広Tシャツランニング捨てられずまた戸棚に仕舞ふ
 優れた亡夫恋6首である。いずれも亡き夫への篤い思いが籠った、具体的な詠みぶりである。




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 四日市郷土作家研究紀要「泗楽」2019.Nov・第25号より、橋本俊明氏の「研究菫月一露 ―その新体詩について―」を読み了える。なお「泗」は「シ、なみだ」と読む。「泗楽」は「悲喜」くらいの意味だろうか。
 受贈は、今月2日の記事、贈られた3冊(2)他1冊にアップした。



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 「泗楽」第25号は、2019年11月1日・刊。2段組み、79ページ。4名が4編の研究を載せている。
 橋本俊明氏の「研究菫月一露 ―その新体詩についてー」は、14ページに渉り、当時のモノクロ写真も多く載せる。菫月一露の誕生(明治19年2月25日)より、20歳での夭折まで、生活や交友、発表誌、刊行本など、詳しく挙げている。
 19歳の時の詩集、「鬼百合」はさほど好評を得られなかったらしい、と書かれるけれども、内容は短歌298首、詩8編で、むしろ歌集と呼ぶべきではないか。新体詩は、西洋からの摂取が感じられず、古風である。
 1時の名声は得られても、文芸誌の地方から東京集中化、わずか20歳の夭折によって、郷土にしか知られない詩人歌人となった。多くの研究が出版されている。
 代表詩の推敲の跡、アンソロジー「青蘭集」のカラー写真、関わった地方誌4誌のバックナンバー明細、なども掲載して、有力な研究である。


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