風の庫

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冒険

 文藝春秋・発行の「Number 1018 藤井聡太と将棋の冒険」をほぼ読み了える。
 入手は、今月5日の記事で報せた。

 話題になった、同誌の「藤井聡太と将棋の天才」の感想へ、リンクを貼ってある。



 藤井2冠の、飛車を切っての攻めなど、読みの正確さは、渡辺名人も驚いている。藤井2冠への評価は、賛嘆か負け惜しみである。
 「地獄で見た光」4ページでは、藤井聡太8段が、奨励会3段リーグで負けた5局の内、2局を取り上げている。対戦相手二人の内、一人はプロ棋士となり、一人は奨励会を退会した。
 「羽生善治 さらなるフロンティアを目指して。」では、将棋界の性格を変えた永世7冠が、「強くなりたい、深く知りたい」と答えつつ、引退時期をそれとなく聞かれると、「気楽に将棋を見て、…絶対に楽ですよ。」と、笑い続ける。知のスポーツとして、将棋を変えた英雄である。
 大山康晴、豊島将之、永瀬拓哉、渡辺明(対談)、斎藤慎太郎、森内俊之(「私の最盛期はこれからです。」と豪語する)、増田康宏、中井広恵、屋敷伸之、松尾歩、木村一基、谷川浩司らを取り上げて、将棋ブームを謳歌している。
(僕はこの記事を、棋聖戦第2局(渡辺名人に対して、藤井棋聖の2連勝)の感想戦を、タブレットのAbemaで傍らに観ながら、書き始めた)。

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写真ACより、「建築」のアイコン1枚。


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 砂子屋書房「葛原妙子全歌集」(2002年・刊)より、第5歌集「原牛」を読み了える。
 第4歌集「薔薇窓」の感想は、今年1月29日の記事にアップした。



 原著は、1959年、白玉書房・刊。室生犀星・序、500首、著者・あとがきを収める。
 医師を父として生まれ、医師に嫁ぎ、「ハイソサエティ、貴族的雰囲気」(岡井隆の栞の言葉)に暮らした。
 葛原妙子は、今の大学の国文科を出て、文学少女の成り上がった者だろうか。菱川善夫や塚本邦雄の、褒め上手に乗せられて。前衛を意識した詠みぶりは確かである。「たたへたる涙落ちざればらんらんとしてみひらくに似つ」の中句欠のような、冒険を重ねて。
 しかし彼女の成熟は、これ以降の歌集にあるようだ。


 以下に7首を引く。正字を新字に直した。
インク壺にインク充ちつつ 凍結のみづうみひびきてゐるも
寒き背後の床を走りたる灰色の目の猫の速度を
死神はてのひらに赤き球置きて人間と人間のあひを走れり
雉の鋭ごゑおこりくさむら戦ぎたりこころ異変に飢うるさびしき
心臓の標本一つある窓にぶだうの蔓の影ある時間
水辺の暗きに立ちをり身に負へる水の怨恨 草の怨恨
濃き蜜にわれをやしなふさんらんとわれは女蜂の翅を光らせ
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。




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