風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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初出

 筑摩書房の「現代日本文学全集 補巻8 上林曉集」(1975年・2刷)より、7番めの短編小説「嬬恋ひ」を読み了える。
 先行する「遅桜」は、先の6月8日の記事にアップした。

 リンクより、関連旧記事へ遡れる。

 「嬬恋」は、筑摩書房の月刊誌「展望」1946年9月号・初出。
 作家の妻が、神経症療養院で亡くなった日と葬儀のストーリーである。前日には妹が見舞いに行っていたが、その妹と観劇のあと帰宅すると、療養院より危篤の電報が届いており、二人は駆けつけるが、朝方に妻は亡くなっていた。帰宅したがる病人が騙され続けて、何度目かの発作を起こしたのである。「一晩中歯が砕けるほど歯ぎしりしたり叫んだりしたあげく」の事だという。死後に作家がいくら懺悔した所で、死者の悔しみは償われない。
 戦後という事で、葬儀は滞りなく済んだ。死者が讃美歌に印を付けた所や、書き出したメモに作家が打たれているのは、偽善くさい。
 兄妹、姉弟の対幻想は、兄弟・姉妹の対幻想より強い(卑弥呼と弟のように)と書いた、思想家がいた。妻は、兄妹の関係に敗れ、神経症となったのかも知れない。

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写真ACより、「雨の日」のイラスト1枚。



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 沖積舎「梅崎春生全集」第4巻に入り、巻頭の長編小説「砂時計」より1回めの紹介をする。
 先行する同・第3巻の仕舞いの紹介は、昨年10月3日の記事にアップした。



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 「砂時計」は、全集で223ページに及ぶ長編小説である。これまでで最長の小説だろう。
 初出は、文学誌「群像」の1954年8月号~1955年7月号である。
 「彼」が鉄路への投身自殺に失敗する場面から始まり、白川社会研究所という実質的に小金持ちへの恐喝を仕事の職場(「彼」らしい人物が、「佐介」の名前で勤めている)、夕陽(せきよう)養老院の話に移り、新院長の横暴と入院者たちの不満とが描かれる。
 市井物を書いて来た梅崎春生が、社会派的な作品を書こうとしたのか。あまり好評でなかったようで、それ以来、社会派的な作品は書いていないようだ。
 今、223ページの内、69ページに至ったのみである。目的の結果は、小出しにするのが良い、という本があり、わずかだが読み了えた所までで、この紹介を書いている。


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 目指しているKDP(キンドル ダイレクト パブリッシング)より、3回めの報告をする。
 2回めの報告は、先の1月16日の記事にアップした。



 ホームページより、旧作小説「底流」の1部をWordへコピペしたあと、残りを初出(文芸部誌、1968年・刊)よりキーボードで筆写した。全体の2/3程だった。若気の至りというか、表現のオーバーな箇所は、改めるか削るかした。
 そのあと、文芸部誌になかった結末を、当時の創作ノートより9行分、付け足して本文の完成となった。
 B5判、1ページ42行、1行31字で、約15ページ半である。約2万字、400字原稿用紙で50枚の、短編小説である。
 この後、改ページして、まとめと称して、あとがきと奥付けを書く予定である。出来るだけ早く、原稿を仕上げ、KDPに持ち込みたい。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。


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