風の庫

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口語体

 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2021年5月号をほぼ読み了える。
 到着は、先の4月15日の記事、届いた2冊を紹介する(21)にアップした。



 同・4月号の感想は、4月22日の記事にアップした。


歌壇2021年5月号
本阿弥書店
2021-04-14

 巻頭作品の岡野弘彦は、「バグダッド燃ゆ」の歌集を持つ。また中沢直人の「雨の子午線」には、「テレビには官僚いよよ饒舌に競えり何も答えぬ技を」と、官僚を批判している。安倍政権の退場によって、反権力の古武士の短歌が息を吹き返したか。同・4月号では、惨状に声も出ないようであったが。
 特集Ⅰは、わが結社の推し歌人33人競詠、である。僕の所属する結社の「覇王樹」からは選ばれていない。「歌壇」誌に広告を出していない結社では無理だろう。7首出詠の33人のうち、新かな遣い、口語体の歌人が少なくて、驚いた。歌壇が、特殊な言葉遣いの世界と、世に見られかねない。
 特集Ⅱの、結社誌の推し評論を、僕は読んだけれども、短歌評論は評価されにくい世界である。
 歌壇のピラミッド構造は、少しずつ崩れて来たようである。また評価とは別に僕の歌の源泉はあり、もっと歌を続けてゆこうと思う。
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写真ACより、「ビジネス」のイラスト1枚。




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 沖積舎「梅崎春生全集」第3巻より、5回めの紹介をする。
 同(4)は、先の6月7日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡れる。

 今回は、「拐帯者」、「春日尾行」、「雀荘」、「クマゼミとタマゴ」、「大王猫の病気」、「ボロ家の春秋」、6編を読んだ。
「拐帯者」
 同(3)の記事にアップした、「拾う」と似たテーマで、突然、大金を手にした男(この場合は会社のお金を持ち逃げしようとしている)が、1晩の遊蕩とアバンチュールに、満足しない。このテーマに、梅崎春生がなぜ拘ったか、わからない。
「春日尾行」

 ミステリーめいた進行で、最後に大団円で決着が付く。推理小説の流行があったのだろうか。
「雀荘」
 ジャン荘ではなく、「スズメ荘」の名のアパート6室(仕切りが3分の1しかない)の住人が、戦後のあぶれ者ばかりで、駆け引きをしながら生活している。
「クマゼミとタマゴ」
 全集で実質2ページの掌編で、同(2)で紹介した「ヒョウタン」と同じく、少年時の回想風の作品である。
「大王猫の病気」
 行き詰まりを宮沢賢治の口語体に救われた(椎名麟三「解説」より)という梅崎春生が、童話を試みた1編である。部下の猫たちに、戦時下の上下関係も見える。童話としては優れていない。
「ボロ家の春秋」
 直木賞を受賞した、名作とされる。
 権利金を騙し取られた「僕」と「野呂」の下宿人が、夜逃げした所有者より家を差し押さえた陳さんに家賃を払う羽目になる。2人は陳さんより、家を買い取り、お互いが家を単独で所有しようと画策する。

 これら近親憎悪は、従軍して生き残った者の、お互いの後ろめたさから来ているようだ。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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