風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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実験

 今日2回めの記事更新です。
 昨日に続き、未発表ソネット10編より、(5)をアップします。

  目覚まし時計

    新サスケ

目覚まし時計を予約するが
ベルが鳴らないのか
目覚めない朝が重なった
故障かと二台めを買う

安価な品である
実験をすると鳴る
だんだん音が大きくなる
それでも寝過ごした

僕の朝の眠りが深いらしい
目覚しのベルはしばらくで止むらしい
どうにもならない

前夜に妻に頼んで
朝にひと声かけてもらうと
すぐに目覚めるのだが


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写真ACより、「建築」のアイコン1枚。


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 思潮社「関根弘詩集」(1968年・刊)の詩集「絵の宿題」より、2番目の章「実験」を読み了える。この詩集は4章に分かれているが、数字は冠していない。
 初めの章
「沙漠の木」は、先の11月23日の記事にアップした。
概要
 関根弘、「絵の宿題」については、わずかだがリンク記事で書いたので、参照されたい。
 この「関根弘詩集」には、第4詩集「約束したひと」まで(と膨大な「未刊詩篇」)が収められているに過ぎず、三省堂「現代詩大事典」(2008年・刊)に拠ると、あと5詩集がある。
感想
 「実験」の章には、10編の詩を収める。中でも「なんでも一番」が(初期の?)代表作のように、詩の手引き書に引かれる。僕も三一書房の高校生新書「現代の詩 新しい詩への招待」(小海永二・著、1965年・刊)で、高校生の時に読んだ。「…アメリカはなんでも一番/霧もロンドンより深い…紐育では/霧を/シャベルで/運んでいる!」と結ばれる。シャベルとはショベルカーの事だと思うが、あり得ない事である(詩では許される)。しかしここには、産業への憎悪はなく、非理的な機智による、トボケたユーモアがあるのみだ。まだ「荒地」の詩が、社会と自己に批判的だった。
 「犬」では、「…それから犬が僕をくわえて走っていた。…僕は声をだした。犬の鳴声だった。…そこには僕の仲間がいる。おそかれ早かれ犬になることをしらないで。…」と述べられる。仕事は厳しく、生活は貧しく、人間的に生きられない人々を描く。彼は仕事・著作でその域を脱したとしても、代弁者として思いを紡いでいる。
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写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。




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