風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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幻冬舎文庫

 山田詠美の短編小説集「4U」を読み了える。
 先の7月7日の記事、同「マグネット」に次ぐ。
 「4U」の到着は、7月14日の記事、届いた2冊(8)で報せた。いったんお蔵入りかと思われたが、自分でも意外に早く読んだ。

4U
概要
 幻冬舎文庫、2000年9月5日・2版。解説を含め、249ページ。メルカリの300ポイントで買った。
 「4U」は、「for you」の略語である。
 9編の短編小説を収める。
感想
 慕い合う男女(稀には病的な女性も登場する)を描いて、穏やかで、心を衝く場面がある。
 我が儘そうな(と言って悪ければ異端者だった)彼女が、風格を帯びた1因は、恋愛短編小説のアンソロジー「せつない話」(1989年、光文社・刊、既読)、続編(1997年、光文社・刊)を編んだ事が大きいと思う。多くの小説を読み込み、アンソロジー(おもに女性作家の)を編んで、女性作家の姐御になったのかも知れない。
 当時は結婚生活も落ち着いていたようだ。
 同じく名短編集と評価される、「風味絶佳」を読んでみたい。



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 7月13日(第2土曜日)の午後に、郵便で2冊が届いたので、紹介する。
 先の6月3日の記事、同(7)に次ぐ。

4U
 まず山田詠美の短編小説集「4U」(幻冬舎文庫)である。
 メルカリより300ポイント(税・送料・込み)で購入した。2000年・2版。帯付き。9編の短編小説を収める。
 今月7日の記事、山田詠美「マグネット」を読むの末尾に、後期の小説をもっと読みたい、と書いた実践である。ただしすぐ読むとは限らない。
 文庫本棚にあった彼女の「トラッシュ」(文春文庫、571ページと厚過ぎる)と共に、いったん文庫本棚に収める事にした。
 「4U」は、「for you」の略だというのは、僕の思い違いだろうか。

「歌壇」8月号
 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年8月号が、同時に届いた。
 第16回筑紫歌壇賞の発表がある。60歳以後の第1歌集から選ばれる、ユニークな賞である。
 追悼 橋本喜典は、急遽の企画だろうか。



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 山田詠美の短編小説集、「マグネット」を読み了える。
 彼女の小説は、昨年11月22日の記事、同「ラビット病」を読む以来である。

山田詠美 マグネット
概要
 単行本:1999年、幻冬舎・刊。
 幻冬舎文庫:2002年・刊。
 9編の短編小説を収める。
 山田詠美の本の記事が、2007年4月に出発した前ブログ「サスケの本棚」にも、2016年9月に引き継いだこのブログにも、初めのリンクの「ラビット病」以外はない。
 彼女の小説は、1985年のデビュー作「ベッドタイムアイズ」から、1990年の「熱血ポンちゃんが行く」あたりまでは、何冊か文庫本を読んだ記憶があるので、2007年4月・以前らしい。
感想
 いきなりだが、性行為を中心とする、男女の性の有り様について、品格と機知を伴って、洗練された9編が描かれる。ただし1人称小説が多い。
 山田詠美を「短編小説の名手」と評価する、評論家が現れたことも肯ける。
 黒人男性との性行為を描いて出発したイメージの強い、山田詠美の作家としての成長を読む思いである。ネタバレを書いていられないので、関心を持つ方へはご1読を薦める。もっとも、もっと荒々しい世界を描き続ける作品を期待する、僕もいた。
 彼女を見直して、後期の小説をもっと読みたい思いがする。


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