風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

 本阿弥書店の総合歌誌「歌壇」2021年4月号を、ほぼ読み了える。
 到着は先の3月20日の記事、届いた3冊を紹介する(11)にアップした。


歌壇2021年4月号
本阿弥書店
2021-03-13

 特集は「連作の組み立て方」だけれども、僕には連作を発表する機会がほとんどない。短歌の賞に応募しないし、同人歌誌、支部歌誌にも属していない。アメブロ「新サスケと短歌と詩」に連作発表の場はあるが、まとめにくい。
 今は危機感の時代を過ぎて、静かな危機の時代だと思う。怒りも嘆きもなく、未来は見えない。
 柳澤美晴の20首連作「石鹸まみれの星」に好い歌があった。
鎖骨のあはひにダイヤは耀けり急所は此処と告げるかのように
 女性らしい、死を賭けた恋への憧れを、詠むようだ。字余り字足らずは多いけれども。「ほっぺたをぱぴぷぺぷうとふくらませ天使も練習するか喇叭の」も優れたオノマトペを発見した。ぱ行の多用を含めて、秀歌である。
1 (3)
写真ACより、「ビジネス」のイラスト1枚。




このエントリーをはてなブックマークに追加

 山田詠美の連作小説集「放課後の音符(キイノート)」を読み了える。
 入手は、昨年9月7日の記事、「同人誌1冊と文庫本3冊」で報せた。


 これまでの画像を、誤まって消してしまったので、画像は出ない。

IMG_20190906_0003
 新潮文庫、2013年23刷。
 17歳の「私」を話者として、8編の高校性の物語が紡がれる。
 山田詠美に性を主題にしたストーリーがあり、生徒の苛めを描いたストーリーがある。
 そして高校生のませた恋の物語が加わる。

 今の僕は、女子高生の恋に関心がない。綿矢りさ、金原ひとみが、共に影響を受けた作品として挙げたから、読む気になったのである。
 高校生時代の僕は、部活と後に受験勉強に忙しく、恋どころではなかった。片思いを寄せた女生徒はいたけれども。



このエントリーをはてなブックマークに追加

杉村奈緒子 片恋未満
 昨年12月13日に、タブレットにダウンロードしたままだった、村杉奈緒子の中編小説「片恋未満」kindle unlimited版を読み了える。(注記:杉村奈緒子と誤記していました。ご迷惑をかけました)。
 インディーズ作家のkindle unlimited版・小説として、昨年9月4日の記事、幸田玲「月曜日の夜に」以来である。
概要
 2017年9月4日・刊。73ページ。
 kindle版:480円。kindle unlimited版:追加金無料。
 彼女には今の所、他のkindle版・小説はないようでる。
感想

 主婦の弓子がフラメンコ教室に通い出し、フラメンコ・ギタリストの喬木と親しくなり、彼の部屋を訪ねるまでになるが、恋は成就せずに別れる。喬木の以前の、若栄、礼子との恋のいきさつが、フラッシュバック的に挟まれる。
 主婦とギタリストが真剣に想い合うが、それ故に成らない恋を描く。
 最近の若い人の、セックス・レスな関係が、取り込まれているようだ。村上春樹のように、しつこく描く世代ではない。
 スペインの地名と、フラメンコの技法の名が頻出して、フラメンコを格好良いとは思うが熱中はしない僕には、少し煩わしかった。
 小説の第1作は、誰にも書ける(僕も昔、短編小説を書いた)が、長く続ける事が大事だと思う。


このエントリーをはてなブックマークに追加

千原こはぎ ちるとしふと
 今月10日の記事、「入手した4冊」で紹介した内、2番目の千原こはぎ・歌集「ちるとしふと」kindle unlimited版を、タブレットで読み了える。
概要
 ダウンロード時期、各版の出版時期・価格は、そのリンクで述べたのでご参照ください。
 千原こはぎ(ちはら・こはぎ、以下・敬称略)は、イラストレーター、デザイナー。
 「ちるとしふと」はカメラの交換レンズの1種で、実際の街の写真をまるでミニチュアのおもちゃのような写真に変身させる、と著者「あとがき」で明らかにする。
感想
 1つの別れに至る(男の身勝手―不毛の性を経て)男女関係と、新しく1つのおずおずと始まりお互いに好ましく想う恋が、ストーリー的には描かれる(仕事の厳しさを描くリアルな歌は別として)。
 繊細な恋が描かれる。しかし「現実じゃないところの感情を掬い取りたくて」と述べるように、フィクションを多分に含んでいるだろう。現実では、線の太い健康的な恋をしているかも知れない。
 平安朝の女流文学以来の、立場の弱い女性の思いを、受け継いでいるのだろうか。
引用

 ハイライト、メモの機能がないので、15首をノートに写したが、例に倣って7首を引く。
桃を抱く手つきで崩されてしまう かんたんだから好きなんですか
息白く見知らぬ駅で待っている わたしだいじにされてなかった
この夜をずっと覚えてますように一番きれいな声で、さよなら
「あいたい」の代わりに今日も「おやすみ」をちいさく夜に貼りつけておく
泣きながらたこ焼きを焼くきみからの言葉をひとつひとつ丸めて
所有され所有している厳かに素足にキスをされてしまえば
おしまいはいつも「じゃあね」と言うきみに「またね」と返す祈りのように




このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ