風の庫

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推測

 椎名誠の小説「黄金時代」を読み了える。
 このブログでは、今月20日日の記事、読み了えた10冊で、「鉄塔のひと その他の短編」を挙げたのみである。

「黄金時代」
 「黄金時代」は、単行本:1998年・文藝春秋・刊。文春文庫:2000年・刊。
 中学3年生から、写真大学生までの「おれ」の自伝的小説である。題名は、あとがきにある通り、逆の連想を以ってつけられた。つまり中高生時代、番長グループと単独で喧嘩対決を繰り返し、家を出て学資稼ぎのアルバイトに至る、闇黒時代である。喧嘩の肉体的衝撃や、心理の描写に迫力がある。
 顔や体に傷を受ける喧嘩は、僕は嫌いである。中学生時代、教師と切手の交換で貰った万年筆を同級生に折られた時も、高校生時代にサッカーでぶつかられて前歯2本を折った時も、茫然とするばかりで、怒りも弁償も湧かなかった。

 あとがきに、本当の「黄金時代」をまだ書けずにいる、とあるが、2002年・刊の「本の雑誌血風録」(既読)がその時代ではないかと、推測する。




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 今月7日の記事、同人誌1冊と文庫本3冊で紹介した内、同人文学誌「青磁」より、約束通り、定道明さんの2編と張籠二三枝さんの1編を読み了える。

 まず定道明さんの「「死んだ赤ん坊」の写真—―「春先の風」考補遺」である。
 中野重治の小説「春先の風」に、戦前の左翼活動家・大島英夫夫妻の赤ん坊が、獄中で病気となり、家で亡くなった様を描くらしい。その死んだ赤ん坊の写真が、甥の家にある筈と甥が言っていたが、未発見のまま甥は亡くなる。夫人より、遺品整理の内、写真が見つかり、送ってもらう。写真の赤ん坊は目をあいているが、自身の妹の経験より、既に亡くなっていると推測する。
 中野重治がその赤ん坊の死に立ち会ったと、小説の表現との関りで推測する。
 小説「コスモス忌」では、友人Sの死と、送別会、納骨、さらに最後となるだろう家への訪問までを、細大漏らさず描いた。

 張籠二三枝さんの小説「無げの花かげ」では、独身だった叔母と、叔父夫婦の死が、少女時代の回想とともに描かれて、文体はライトだが内容は重い。



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