風の庫

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新と真

 福井県俳句作家協会・編の「年刊句集 福井県 第58集」より、3回めの紹介をする。
 同(2)は、先の4月25日の記事にアップした。




 今回は福井地区の、56ページ~75ページの20ページ、40名400句を読んだことになる。
 新しい句材は必要だが、新と真のもう1つ、真実も必要である。能や文楽の型より摂った句、忌祭を吟じて季語と即かず離れずの句、田舎の若者を吟じた句、などに惹かれた。
 会員の高齢化はあるが、畑作業、新しい学び、などを吟じた句もあって、回想の作品と共に、お元気である。

 以下に5句を引く。
見送りの目頭押さふ光る風(T・利彦)
ライダーの危ふき蛇行雲の峰(K・邦子)
母の忌や四男三女衣被(S・由紀子)
ロボットのスイッチを押して掃初め(T・三恵子)
炭琴の高き音色や秋気澄む(I・和加子)
0-11
写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。




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 角川書店「増補 現代俳句大系」第15巻(1981年・刊)より、2番めの句集、松崎鉄之介「鉄線」を読み了える。
 今月17日の記事、石原八束「黒凍みの道」に次ぐ。
概要
 1954年・刊の「歩行者」に次ぐ第2句集。
 1975年、「濱」発行所・刊。1954年~1974年の648句、あとがきを収める。
 松崎鉄之介(まつざき・てつのすけ、1918年~2014年)は、1947年に復員、大野林火「濱」同人、1982年に林火・死去により主宰・継承。同年、俳人協会会長となる。
感想
 朴訥とされるが、「鉄線」では創作の新と真が少ない。わずかに旅の句に新と、帰郷した友への吟に真実味がある。松崎鉄之介の句には帰郷して暮らす者への信頼がある。
 1970年、役所勤めを辞し、自営業となってより、句風も自由となったようだ。
 句集を重ね、数度の中国訪問等によって、力を発揮したようだが、僕には後を追う余裕がない。
引用

 以下に5句を引く。
島枯れて寸土あまさぬ製錬所
登呂暮色へだたりし人すぐ霧らふ
薔薇咲かせ遊学の外故郷出ず(幼なじみの友へ)
夕青嶺澄むを故郷として友は(青於君と別る)
銀座にも底抜けの空盆休
0-54
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。




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