昨日(7月7日)の記事で到着を報せたばかりだが、吉田篤弘の小説「それからはスープのことばかり考えて暮らした」を読み了える。
中公文庫、2019年5月30日・17刷。著者・吉田篤弘は、クラフト・エヴィング商會の名義での著作・装幀の他、小説を多数発表している。彗星のように現れたクラフト・エヴィング商會は話題になったが、その個人が吉田篤弘と知らず、初めての作家さんである。
失職中の大里青年(オーリィ)と、サンドイッチ屋「トロワ」の主人・安藤、その息子・律(リツ)、大家の大屋(マダム)、オーリィ青年が憧れる昔の映画の端役・松原あおいの、現在のおばあちゃん、が登場人物である。青年はサンドイッチ屋で働くようになり、スープ役を任せられる。あおいとオーリィが映画館で出会うようになって(あおいも自分の出演映画の上映を追っていた)、知り合い、あおいの絶品のスープの作り方を伝授された所でエンドとなる。娘さんは一人も登場せず、老壮の男女は配偶者を亡くしている。それでも暖かい物語で、ハッピィ・エンドである。
作者は本作と、「つむじ風食堂の夜」「レインコートを着た犬」を、月舟町三部作と呼んでおり、読みたい気持ちになる。

写真ACより、「雨の日」のイラスト1枚。

中公文庫、2019年5月30日・17刷。著者・吉田篤弘は、クラフト・エヴィング商會の名義での著作・装幀の他、小説を多数発表している。彗星のように現れたクラフト・エヴィング商會は話題になったが、その個人が吉田篤弘と知らず、初めての作家さんである。
失職中の大里青年(オーリィ)と、サンドイッチ屋「トロワ」の主人・安藤、その息子・律(リツ)、大家の大屋(マダム)、オーリィ青年が憧れる昔の映画の端役・松原あおいの、現在のおばあちゃん、が登場人物である。青年はサンドイッチ屋で働くようになり、スープ役を任せられる。あおいとオーリィが映画館で出会うようになって(あおいも自分の出演映画の上映を追っていた)、知り合い、あおいの絶品のスープの作り方を伝授された所でエンドとなる。娘さんは一人も登場せず、老壮の男女は配偶者を亡くしている。それでも暖かい物語で、ハッピィ・エンドである。
作者は本作と、「つむじ風食堂の夜」「レインコートを着た犬」を、月舟町三部作と呼んでおり、読みたい気持ちになる。

写真ACより、「雨の日」のイラスト1枚。

