風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

満足

 三浦哲郎の短編小説集「盆土産と十七の短編」を読み了える。
盆土産と十七の短篇 (中公文庫)
三浦 哲郎
中央公論新社
2020-06-24

 手許の実物には、帯がある。

 入手は、今月5日の記事、届いた4冊を紹介する(5)の末尾で報せた。

 その4冊の内、渡辺茂子「アネモネの風」以外は読んでいる。

 「盆土産と十七の短編」は、中公文庫、2020年・再版。
 「盆土産」は、父親(母親は亡くなっている)の出稼ぎの土産、海老フライを初めて食べる姉弟と、祖母の物語である。「金色の朝」は、少年が弟妹たちに気取って言う科白、「朝の雨と…女の腕まくりは、ちっともこわくねえ。」(差別があったら済みません)が印象的である。この2編は既読なので、文庫本が既読なのかと思ったが、国語教科書に載った短編小説を集めた、オリジナル・アンソロジーとの事。
 「私の木刀奇譚」(永井荷風の「墨東奇譚」に掛けてある)、「猫背の小指」「ジャスミンと恋文」「汁粉に酔うの記」「方言について」「春は夜汽車の窓から」7編は私小説風で、現在の安定した境地(三浦哲郎の若い時の家族の宿命を、ようやく克服した、重要な意味を持つ)を思わせる。
 「おおるり」(「石段」を除く)「睡蓮」「星夜」は、死の絡む話である。「ロボット」は少年が死に、「鳥寄せ」では出稼ぎがうまくゆかなかった父親が、郷里の裏山で枝に首を吊る。「メリー・ゴー・ラウンド」も、父娘の(母は亡くなっている)心中未遂を描く。未来ある中学生・高校生に、こういう暗い話を読ませたくない。PTA的になるのではないけれど、努力の物語、苦難を越える物語を、読んでほしい。
 「とんかつ」は禅寺の雲水になった少年の1年の成長を、「じねんじょ」は四十を越えた小桃が、初めて実父に会う物語を描く。父親が「怨みでもあらば、なんでも喋れや」の科白が良い。しかし少年少女に、積極的に薦めたいストーリーではない。作者の責任ではないけれども。
 久しぶりに三浦哲郎の短編小説集を読んで、僕は満足している。

沖の白帆
 「北潟湖畔花菖蒲園」より、「沖の白帆」の1枚。



このエントリーをはてなブックマークに追加

 岩波文庫の一茶「七番日記」(下)より、9回めの紹介をする。
 同(8)は、先の2月25日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡れる。


 今回は文化15年正月~同6月の半年分、367ページ~424ページ、58ページ分を読んだ。
 諧謔味の句も多いが、物寂しい景、老いの二人暮らしの句なども交じる。鶯や雁の野鳥に思いを寄せている。
 一茶は小規模ながら地主である(1部は妻のお菊が耕作した)が、土地の広さは田畑合わせて3石6斗余と解説にあるのみで、何町何反と示されず、僕には想像できない(他に山林・若干)。田畑の作物の生長を吟じている。物質的には、満足している風がある。
 くすぐり、うがち風でなく、馬のいる景を大柄に吟じるなど、新しい境地を広げた。
 3春・347句、3夏・207句の記入がある。

 以下に8句を引く。
追分の一里手前の秋の暮
そこに居よ下手でもおれが鶯ぞ
春風や馬をほしたる門
(かど)の原
目出度
(めでたし)といふも二人の雑煮哉
(わが)村や春降(ふる)雪も二三尺
米炊ぐ水とくとくや秋の暮
はつ蛍ついとそれたる手風
(てかぜ)
稲の葉に願ひ通りの暑
(あつさ)
ウグイス
写真ACより、「ウグイス」のイラスト1枚。




このエントリーをはてなブックマークに追加

 世界の名画シリーズより、「ドガ画集」Kindle Unlimited版を観おえる。
 ダウンロードは、今月2日の記事、入手した5冊を紹介する(6)にアップした。


 なおその5冊の内、「夢をかなえるゾウ3」は削除したので、残る4冊をすべて紹介する事になる。

 また先行する画集、「モネ画集」同は、先の7月31日の記事にアップした。


ドガ画集
 この画集には、小さな図版もあるが、拡大で大きく表示でき、スクロールで調べたり、ピンチアウトで更に精細に観ることができる。
 ドガ(1834年~1917年)の生家は銀行家であり、父は芸術に理解があって恵まれていた。しかし晩年は生家が衰退し、ドガも困窮したようだ。踊り子のパステル画をたくさん描いたのも、生活のためという説がある。
 新しい美しい踊り子の絵(舞台稽古をする踊り子、など)を観られた。肖像画、洗濯屋、競馬、入浴の女性(多く後ろ姿)なども観られて、僕は満足した。



このエントリーをはてなブックマークに追加

CIMG0851

 今日2回目の記事更新をします。
 いつもの高尚路線をはなれて、昨日(5月21日)の夕食を紹介する。家庭の事を書くのは、今月13日の「母の日のカーネーション」以来である。
 写真の左上から、茹で卵(昼食の余り)、ポテトサラダ(昼食の余り)、茄子の辛漬け、カップの爽健美茶(家ではお茶を淹れず、ボトル茶を飲んでいる)。
 左下から、煮物(揚げ、茄子、椎茸、大根)、白身のフライ、ご飯(0・7合ほど)。
 慎ましくささやかな食事(妻の用意して行ったもの)だが、変に高級なものは口に合わないので、満足している。
 写真は食卓の上だが、僕はこのトレーを運んで、例によって別室で食べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ