風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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研究

 僕の所属する結社の歌誌「覇王樹」2021年3月号をほぼ読み了える。
「覇王樹」3月号
 到着は、先の2月27日の記事にアップした。同・2月号の感想へリンクを貼ってある。



 結社「覇王樹社」のホームページは、到着より数日後には、3月号仕様になっていた。


 3月号の僕の6首「「行くぞ」の一句」(無選)は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、3月1日、2日の記事に分載した。


 これまで短歌作品中心に取り上げたので、今回は散文に目を向けたい。
 まず特集「東日本大震災 あれから10年」が15ページに渉る。東北在住の同人を主に、12名が執筆した。
 顧問のH・俊明氏の連載「覇王樹歌人の歌碑」は51回め、「角田蒼穂の歌碑」であり、モノクロ写真2葉と共に、2ページに渉る。
 顧問のW・茂子さんのエッセイ「落とし文考」は74回め、1ページ。
 編集委員のS・素子さんの研究「後水尾院時代の和歌」は76回め、1ページ。
 リレー・エッセイの「私のすきなこと・もの」は、2名で1ページ。
 各集・1月号評は、4名が各1ページずつ。
 受贈歌集紹介は、6冊を2ページに渉って。受贈歌誌紹介は、2誌を各5首と共に。
 支部歌会だよりは、7つの会を紹介している。
 編集後記、規約要旨、奥付けが48ページの仕舞いを飾っている。
 若干の数の歌を取り上げ、寸評する予定だったが、スペースと気力がないので、今回はパスする。






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 先の6月29日の記事、届いた2冊を紹介する(13)でアップした内、結社歌誌「覇王樹」2020年7月号を読み了える。
 これで(13)は、青木祐子「これは経費で落ちません! 7」と共に、2冊の感想をアップし了えた事になる。



 上記リンクには、同・6月号の感想、結社のホームページ「短歌の会 覇王樹」、僕の6首・他、3つへのリンクを貼ったので、ご覧ください。

「覇王樹」7月号
 7月号の表紙である。

 7月号には、巻頭の「橋田東聲の歌」6首(歌集「地懐」より)から始まり、巻頭八首抄(1首×6名)、同人特選の「爽什」6首×10名、「文月10首詠」10首×4名と続く。同人の3集、準同人の「紅玉集」、会員の「覇王樹集」に、各名6首ずつ収められる。

 顧問、H・俊明さんの「覇王樹人の歌碑(43)金子信三郎の歌碑」が、モノクロ写真2枚と共に、見開き2ページに載る。
 顧問、W・茂子さんの連載エッセイ「落とし文考(67)」、編集委員、S・素子さんの研究「後水尾院時代の和歌69 ―七夕御会ー」が、共に1ページである。募集エッセイの「私の好きなこと・もの」は2名1ページに収める。


 題詠「風」(僕は欠詠した)は19名が1首ずつ寄せた。「受贈歌誌抄」は、2誌の5首ずつを取り上げる。「私の選んだ十首(五月号)」は、「覇王樹」5月号の10首選を3名が寄せた。
 各集の5月号の批評を、評者4名がピックアップして評している。「受贈歌集紹介」では、6冊を2ページに渉って手厚く紹介する。各地の歌会も紹介される。
 佐田代表の「令和二年、春」12首は「現代短歌新聞」五月号より、S・素子さんの1首と短文「桜とわたし」は「梧葉」春号より、H・美智子さんの「天よ」5首は「現代短歌新聞」五月号より、それぞれ転載された。


 以下に2首を引き、寸言を付す。
 H・俊明さんの「彩虹」6首より。
苞もたげ雪餅草の光抱く白にも濃さのあるを気づきぬ
 昔の20年間、3坪の温室でカトレアなどを咲かせたので、花の色は絵にも写真にさえも写せないと知らされた。
 佐田代表の「五年を経たり」6首より。
君の着し背広Tシャツランニング捨てられずまた戸棚に仕舞ふ
 優れた亡夫恋6首である。いずれも亡き夫への篤い思いが籠った、具体的な詠みぶりである。




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 四日市郷土作家研究紀要「泗楽」2019.Nov・第25号より、橋本俊明氏の「研究菫月一露 ―その新体詩について―」を読み了える。なお「泗」は「シ、なみだ」と読む。「泗楽」は「悲喜」くらいの意味だろうか。
 受贈は、今月2日の記事、贈られた3冊(2)他1冊にアップした。



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 「泗楽」第25号は、2019年11月1日・刊。2段組み、79ページ。4名が4編の研究を載せている。
 橋本俊明氏の「研究菫月一露 ―その新体詩についてー」は、14ページに渉り、当時のモノクロ写真も多く載せる。菫月一露の誕生(明治19年2月25日)より、20歳での夭折まで、生活や交友、発表誌、刊行本など、詳しく挙げている。
 19歳の時の詩集、「鬼百合」はさほど好評を得られなかったらしい、と書かれるけれども、内容は短歌298首、詩8編で、むしろ歌集と呼ぶべきではないか。新体詩は、西洋からの摂取が感じられず、古風である。
 1時の名声は得られても、文芸誌の地方から東京集中化、わずか20歳の夭折によって、郷土にしか知られない詩人歌人となった。多くの研究が出版されている。
 代表詩の推敲の跡、アンソロジー「青蘭集」のカラー写真、関わった地方誌4誌のバックナンバー明細、なども掲載して、有力な研究である。


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 所属する結社歌誌「覇王樹」の、2019年12月号をほぼ読み了える。
 到着は、今月1日の記事、届いた4冊(4)にアップした。


 11月号の感想、結社のホームページ、僕の12月号の歌等へ、3つのリンクを貼ったのでご覧ください。

「覇王樹」12月号
 通常の短歌の他、H・俊明氏の「覇王樹人の歌碑(36) 宮前初子の歌碑」が、モノクロ写真と共に2ページに渉る。W・茂子さんの随筆「落とし文考(60)」、S・素子さんの研究「後水尾院時代の和歌62」と息が長い。
 同人・川口六朗氏の少部数歌集「時のなごり」の紹介半ページ、受贈歌誌抄3誌(各5首と共に)、各5欄ごとの10月号批評(各1ページ)、受贈歌集・歌書紹介6冊2ページ、総合歌誌「短歌」より転載のT・次郎氏の「令和となりて」7首など、本誌は内外に手厚い。


 以下に3首に寸評を付す。
 K・順造氏の「遠ざかる」6首より。
遠ざかる列車の音の引く糸を夜長に手繰る望郷の念
 望郷の念の強さを、巧みな比喩と共に表している。
 S・公子さんの「息子の三回忌」6首より。
好みゐしグミとポテトを供へたり娘も同じものを持ち来て
 長い難病の後に夭逝された息子さんを、娘さんと共に偲んでいる。
 T・恵子さんの「彼岸花咲く」6首より。
ソプラノの伸びゆく声に魅了され秋のひと日をコンサートに酔ふ
 クラシック声曲の美しさを表し得た。


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 県内の詩人、漢文学研究者の前川幸雄さんが下さった、文学総誌「縄文」第4号をほぼ読み了える。
 受贈は、先の9月29日の記事、入手した5冊(4)で紹介した。2019年8月30日、縄文の会・刊、22ページ。

d・文学総誌「縄文」第4号
 題字が替わり、前川さんの中国留学時代より交流がある、馬歌東氏の作の篆刻である。
 同・第3号の記事が、このブログに見つからないが、同・第2号は昨年4月5日の記事にアップした。



 前川さんの巻頭言「橋本左内と中国の文人たち」は、彼が最近多く研究している県内の漢詩に絡めて、450余首の漢詩を残した橋本左内の中国文献・思想の受容の研究が必要不可欠と説く。

 一般研究では、Y・信保さんの「ナマズの謎を追う(3)」が、「地震とナマズの結びつき」「水神としてのナマズ」「瓢鮎図考」(鮎はアユでなく、鯰のこと)等で、研究を進めている。

 前川さんの2つの講演の記録と、受講生の反応の文章が、B5判2段で5ページに渉る。
 
 Y・絹江さんの7言絶句「懐東篁師弟愛」(東篁の師弟愛を懐う)、「観国宝曜変天目茶盌」(国宝曜変天目茶盌を観る」を載せ、M・善男さんの7言絶句も紹介されている。

 T・義和さん、M・昌人さんの随想が各1ページ、Y・里奈さんの感想文「『田奇詩集』と『赤 私のカラー』の魅力」は、前川さんがかつて邦訳した現代中国詩集を2ページに渉って評した。

 人材、内容、共に力があり、各文にはモノクロ写真を付し、文学総合誌と呼んで良い豊かな雑誌である。




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 6月8日(第2土曜日)の朝10時より、講座「福井が育む文学を訪ねる」第2回が、福井県立大学永平寺キャンパスの1室で催された。
 同・第1回は、先の5月26日の記事にアップした。
 今回も受講者は、予約定員の30名を越えたようだ。
第1講座 「福井ゆかりの詩人たち」
 講師は、詩人(詩集・受賞・多数、詩誌「木立ち」代表)の川上明日夫さん。
 近代以降の福井の詩人として、三好達治(寄寓)、中野重治、高見順(2、3歳で福井県を離れる)、則武三雄(鳥取県・生まれ)、広部英一、荒川洋治を取り上げ、それぞれの業績を評価した。
 また福井を離れた詩人、福井に寄った詩人、福井で定住者の文学を提唱した詩人、それぞれが福井の地を愛した事を挙げた。
 川上明日夫さん自身も、幸福な状況で詩を書いて来れたとしながら、旧・満州生まれで引き揚げた、故郷喪失者である事を告げた。
第2講座 「ふるさと再発見」

 講師は、詩人、児童文学作家の藤井則行さん(ふくい児童文学会・代表)。
 伝説「きつね塚」(母親から聞いた話)と、昔話「けい坊・はい坊・あんだ坊」(勝山市で採話)を例に、伝説と昔話の違いから説き起こし、昔話の研究から得られた、特質を述べた。「昔、ある所」と始まる(どちらかが省略される場合がある)、会話の文と地の文(行動を表わす)で成っている事、ほとんどハッピィエンドである事、教えとして度胸・知恵・機転がある事などを挙げた。その因として、庶民に語り継がれた話であり、願望が込められていると結論した。
 現代の創作童話にも、それらの研究を活かしたいと述べて、締め括った。
 時間が30分ほどオーバーし、12時半頃に散会した。


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 僕の所属する結社歌誌「覇王樹」の創刊者、橋田東聲の短歌をほとんど知らないままに入会した。知っていたのは、前夫人との表面的なエピソードである。
 橋田東聲の短歌を、と思って、生前唯一の歌集「地懐」が短歌新聞社(すでに会社を清算)の短歌新聞社文庫で出ていると知って、Amazonのマーケットプレイスより取り寄せた。2012年・初版。

橋田東聲の研究
 また橋田東聲の生涯を、と思って、現「覇王樹」代表・編集発行人の佐田毅氏の研究書、「橋田東聲の研究」を、これもAmazonのマーケットプレイスより取り寄せた。
 2001年、短歌新聞社・刊、456ページ、函入り。

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 結社歌誌「覇王樹」同人の清水素子さんが、第1歌集「生の輝き」を送って下さった。
 先日に参加者に配られた、「名刺交換会名簿」のお蔭だろうか。
 歌集は2017年11月、覇王樹社・刊。佐田毅・序、365首、あとがき、経歴を収める。
 以上の3冊に読み入るのは、他の読書が待っているので、少し遅れるだろう気がする。




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