風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

神経症

 筑摩書房の「現代日本文学全集 補巻8 上林曉集」より、6編めの短編小説「遲桜」を読み了える。
 先の5月22日に紹介した、「四国路」に次ぐ。


 今回は、48ページ~54ページ、7ページの2章より成る。(一)は、神経症養生院に居る妻を、作家が義父(妻の父)と共に訪ねる場面である。
 義父への語り掛けから入る冒頭は見事である。妻の入院は3年めであり、義父は四国から上京して、初めて院に訪う。患者を家族に会わせない方が良いと、院長は自ら芝居で妻を引き出し、二人に戸の隙間から覗かせる。「徳子を哀れと思つて出る涙なのか、自分を哀れと思つて出る涙なのか、私にはけぢめがつかなかつた。」と記す。
 (二)は翌年、義父と妻の妹が上京して、病状の良い妻が、泊まり無しの1日帰宅をする場面が主である。「父に妹、夫に義妹、二人の子供を加へて、徳子にとつては、夢のやうに賑やかな食事だつた。」と描く。夜には院へ戻り、私は妻に「来週のうちに来るよ。」と約束するが実行せず、10日余り経て妹、義妹、子供達を花見に出す始末である。
 上林曉の妻物は愛妻物として好まれたそうだが、ずいぶん差別的である。いっそ島尾敏雄の「死の棘」のように、妻に付き添って入院するくらいの情があれば、愛妻物と呼び得る。
0-06
写真ACより、「建築」のアイコン1枚。



このエントリーをはてなブックマークに追加

 岩波文庫のヒポクラテス「古い医術について 他八篇」より、2回めの紹介をする。
 1回めの紹介は、今月4日の記事にアップした。


 今回は「神聖病について」全21節、21ページを読んだ。
 神聖病とは、神経症の事である。古代ギリシアの人々は、神経症を神業に依ると考え、妖術師、祈祷師、托鉢僧、野師等が、祓いを施し、呪文をとなえ、沐浴を禁じ、多くの食材を禁じた。
 ヒポクラテスは、神経症の徴候の原因を、現代医学と同じく、脳にあるとする。有効処置を施すならば、この病気をも治癒することができるであろう、と結んでいる。
 「人間にあっては脳が最大の機能をもつと考えられる。」「私は脳が意識の伝達者であると主張するものである。」とも述べ、紀元前400年頃にして脳の重要性を主張した。
0-19
写真ACより、「ウインターアイコン」の1枚。







このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ